研究課題
本研究は、平成26年度~28年度研究課題「小児肥満症改善の統合研究-「生活環境病」の提唱と介入プログラムの開発を目指して-」(基盤研究(C))の継続的な研究として、引き続き対象数を増やし糖質・脂質代謝異常や血管超音波検査、さらに小児での検討が少ない内臓脂肪測定を実施し、内臓脂肪蓄積や動脈硬化性変化に対する危険予測因子となるバイオマーカーを明らかとすること、同時に基準となる健常小児の血管内皮機能や、内臓脂肪測定も検討することを目的とする。前回から引き続き血管内皮機能評価として、血管超音波検査によるFMD法とEndo-PAT法による血管内皮機能の測定を、説明同意を得た肥満検診対象者並びに健常児で実施した。FMD法と、侵襲の少ない簡便な方法であるEndo-PAT法の相関関係を検討し、小児での血管内皮機能の指標としてEndo-PAT法の有用性の検証と、基準となる健常児のデータの蓄積を目指し検討を継続した。しかし対象者の測定数がそれらの有用性を検証するには不十分であり、対象者数を増やす必要があり研究機期間を延長した。また小児における体脂肪量や筋肉量の検討も少なく、年齢、性別の測定値を蓄積し検討するため、相模原市内の小学校をモデル校として選定し全校児童を対象に体組成測定を実施した。さらに文科省が毎年実施する新体力テストの結果と、これら体脂肪量や筋肉量、肥満度との相関関係も解析対象とした。しかしこれらデータも単年度しか実施できず、その後2020年からコロナウイルス感染拡大により学校における集合形態での健診、体格測定等が実施できない状況となり十分な結果を得ることが出来ていない。文科省通達による成長曲線、肥満度曲線の積極的導入の推奨から、成長、肥満度曲線を基に小児版の特定健康診査を検討し、小児肥満のハイリスク者の抽出と保健指導のモデルの構築も検討したが、感染拡大から十分な検討が出来ていない。
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脂質栄養学
巻: 31 ページ: 55-68