本研究では、糖尿病食事療法の科学的根拠構築を目的とし、in vitroおよびマウス膵臓β細胞細胞株(MIN6)にて、脂肪酸がDPP4活性に及ぼす影響について検討した。脂肪酸、中でもDHAおよびEPAは直接的DPP4活性阻害作用を有することに加え、膵臓β細胞においてもDPP4活性阻害作用を有していることが示唆された。そのため、DHA、EPAのような強いDPP4活性阻害作用を示す脂肪酸は、単独、もしくはDPP4阻害薬との併用で、DPP4活性上昇の抑制を介したインスリン分泌の改善、血糖コントロールに有効である可能性を明らかにできた。
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