• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

EMSが脳の血流調節に及ぼす影響:糖尿病患者の脳機能改善を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 17K01873
研究機関東京学芸大学

研究代表者

佐藤 耕平  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00409278)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード脳血流 / 電気刺激 / レジスタンスエクササイズ
研究実績の概要

本年度の研究により,下肢への有酸素運動を模試した電気刺激(EMS)による受動的運動時にも脳血流は亢進し,随意運動と同様の効果が認められた。しかしながら,先行研究での報告とは異なり,EMSに対する脳血流の増加に,脳内の地域差があることが確認された。つまり,EMSに対して,主に大脳皮質領域に血液を供給する内頸動脈血流は増加するものの,延髄や脳幹領域に血液を供給する椎骨動脈血流は変化しないことが明らかになった。この知見は,随意運動同様に,大脳皮質領域の神経活動の増加をEMSによって促すことができ,その代謝に見合った血流の増加を期待できる可能性を示唆するものであり,随意運動の実施が困難な被験者や糖尿病患者への応用が可能と思われる。さらなる研究において,自発的運動とEMSの併用時(コンバインドエクササイズ)には,EMS単独に比べて優位に脳血流が亢進することが明らかになった。この結果は,EMSによる筋代謝受容器反射および機械受容器反射が付加され,脳への神経投射が増加し,血流の亢進が起こったと考えられる。ここまでの知見が,今年度までの実験により明らかにされた。しかしながら,コロナ感染に伴う,自粛要請および大学内外での研究・実験活動の制約により,実験の遂行が当初よりも大幅に遅延し,さらに,論文作成作業および研究成果の公表が急務である。今後,国内学会でのデータの公表に加えて,生理系国際誌での論文のアクセプトに向け,データ解析および論文の執筆活動を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナ感染に伴う,研究活動の自粛および制限により,実験およびデータ解析が当初の予定より1年以上遅延している。予定していた実験は終了したものの,今後は研究成果の公表が急務である。次年度は,英文の校正費用や国際誌への投稿費などに科研費を使用していく予定である。

今後の研究の推進方策

実験により得られたデータを国際学会で公表すると同時に,国外生理系雑誌における論文の公表を目指す。そのための論文の執筆活動が主な研究の方針であり,英文の校正費用や論文投稿料に科研費を使用する方針である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大による,ヒトを対象とした実験の自粛および制限のため,実験のスケジュールに遅延が生じ,論文作成および成果の公表において遅延が生じたため,次年度使用額が発生した。今後は国際誌への英文投稿時における英文校正費用および投稿料に科研費を使用する予定である。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi