脳梗塞誘発性糖代謝異常に対する中枢-末梢臓器間連関機構の関与とその関連因子の同定を行うために、肝臓における糖代謝に対する自律神経系または脳由来神経栄養因子の関与について着目した。特に本年度は、脳由来神経栄養因子に焦点を当てた。実験には、肝臓のex vivo実験系を用いた。5週齢のddYマウスから肝臓を取りだし、培養液中で30分間培養した。その後、各種薬剤を添加し、60分間反応させた。反応させた肝臓からRNAを抽出し、糖新生関連酵素の発現変化を検討した。しかしながら、肝臓における糖新生関連酵素の発現変化に対し、脳由来神経栄養因子の影響は認められていない。現段階において、肝臓の糖代謝に対して、脳由来神経栄養因子は直接的な関与はない可能性が考えられた。
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