研究課題/領域番号 |
17K01885
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研究機関 | 至学館大学短期大学部 |
研究代表者 |
西沢 富江 至学館大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (30283980)
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研究分担者 |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 特別教授 (60152659)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 神経筋接合部 / 筋発揮張力 / 神経支配比 / 発育期トレーニング / 老齢期トレーニング |
研究実績の概要 |
近年,老齢期に起こる骨格筋の問題としてサルコペニアやロコモティブシンドローム等がある.これら問題の解消としては運動が効果的である.しかし,老齢期のトレーニングは発育期ほど効果を得られない..もしも,発育期に行ったトレーニング効果が老齢期まで持続するのであれば,発育期トレーニングは重要な意味を持ってくるだろう.その効果はどれだけ残るのか,どの要因に大きく関与するのか?そこで本研究では発育期の運動が老齢期の骨格筋へ及ぼす影響を明らかにする. 本年度実験は「発育期の運動の影響が老齢期まで持続するか」「発育期の運動-老齢期の運動再開」「老齢期からの運動開始」との運動効果の比較を行った. 「発育期の運動の影響が老齢期まで持続するか」:実験動物は生後8週齢のFischer344系雄ラットを用いた.持久走トレーニング群+加齢群,瞬発的トレーニング+加齢群,54週齢コントロール群の3群を設けた. 「発育期の運動-老齢期の運動再開」と「老齢期からの運動開始」との比較:実験動物は生後8週齢のFischer344系雄ラットを用いた.54週齢からのトレーニングは自発走運動とした.持久走トレーニング群+加齢トレーニング群,瞬発的トレーニング+加齢トレーニング群群の2群に分けた. 筋の機能的特性:トレーニングおよび飼育終了後に,筋の発揮張力特性を測定した.被験筋はひらめ筋と長指伸筋とした.坐骨神経を介した極大電気刺激による筋の間接強縮張力と筋への直接電気刺激による発揮張力を測定し,直接刺激張力に対する間接刺激張力の比率を求めた.これにより神経支配率を推定する. 神経筋接合部の形態観察:光学顕微鏡下にてNMJの形態観察を行う.筋摘出後,クリオスタット(Leica社製CM1550)内で50μmの筋縦断切片を作成する.切片にコリンエステラーゼ染色(運動終板染色),銀染色(神経染色)を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「発育期トレーニング+老齢期まで通常飼育群」,「発育期トレーニング+老齢期からトレーニング群」,「老齢期からのトレーニング群」のトレーニングを行った.トレーニング終了後,筋発揮張力の測定を行った. トレーニング期間が長かったため,組織化学分析が遅れている
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今後の研究の推進方策 |
今年度は発育期の運動が骨格筋に及ぼす影響を調べる.実験は発育期ラットに2種類のトレーニングを行わせる.トレーニングは持久走トレーニング,スプリントトレーニングとしmコントロールを設け,3群に分ける.被験筋は足底筋,長指伸筋,ひらめ筋とする.ラットトレーニングは6月に終了のため,その後は各分析を行い前年度までの遅れを解消する.特に組織化学分析を中心に行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
組織化学分析が遅れているため,予定していた試薬を購入しなかった.次年度は,分析用試薬を多めに必要とするため,未使用額は生じない.
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