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2020 年度 実績報告書

母親の育児行動に対する自律的動機づけを支えるアセスメントツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K01889
研究機関埼玉大学

研究代表者

寺薗 さおり  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90457937)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード育児行動 / 母親 / 動機づけ / 基本的心理欲求充足 / 自己決定理論 / アセスメント / 保育士
研究実績の概要

本研究では保育士が活用できる母親の育児行動に対する自律的動機づけを支えるアセスメントツールを開発することを目的とした。
乳幼児期の子どもをもつ母親を対象に質問紙調査を実施し、平成29年度(有効回答率329名)は「育児行動に対する基本的心理欲求充足尺度」と「育児行動に対する動機づけ尺度」(小児保健研究78,33-40)、平成30年度は「母親の育児行動尺度」(有効回答率250名)(小児保健研究80,164-171)を作成した。また、これらの尺度を用いて育児行動に対する自律的動機づけの構造を確認するために質問紙調査を実施した(有効回答率419名)。共分散構造分析によるパス解析の結果、3つの基本的心理欲求が充足すると内的調整は育児行動、育児に対する自己効力感を介して主観的幸福感を高めるプロセスが示された。
令和元年度、令和2年度は前年度までの基礎研究に基づき、保育士が活用できるアセスメントツールを作成し、介入研究の記録の特徴から内容妥当性を検討した。介入研究に先立ち、7名の保育士の自由記述を分析した結果、保護者支援を通して親子のニーズを充足するためには、保育士のアセスメント力や省察等、保育士の資質・能力の必要性が示唆された(埼玉大学紀要 教育学部69,311-322)。また、介入研究時の記録を分析した結果、自己決定理論に基づく支援の特徴が確認され、本アセスメントツールを活用することにより、母親は保育士との安定した関係性の中で、有能感、自律性の順で充足、促進され、自律的動機づけが形成されていくことが考えられた(埼玉大学紀要 教育学部70,83-99)。最終年度は本研究結果に基づき、『自己決定理論を活用した育児支援』のパンフレットを作成した。今後は保育現場や保育者養成校でのアセスメント教育に活用していく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 『母親の育児行動尺度』の作成‐「子育て期母親役割尺度」からの選定‐2021

    • 著者名/発表者名
      寺薗さおり・山口桂子
    • 雑誌名

      小児保健研究

      巻: 80 ページ: 164-171

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 母親の育児支援に関するアセスメントツールの開発‐自己決定理論に基づくアセスメント項目の内容妥当性の検討‐2021

    • 著者名/発表者名
      寺薗さおり・吉川はる奈・浜崎隆司
    • 雑誌名

      埼玉大学紀要 教育学部

      巻: 70 ページ: 83-99

  • [雑誌論文] 保育士による「保護者支援」実践プロセス‐「子どもへのかかわり」の支援に焦点を当てて‐2020

    • 著者名/発表者名
      寺薗さおり・吉川はる奈・上岡紀美
    • 雑誌名

      埼玉大学紀要 教育学部

      巻: 69 ページ: 311-322

    • DOI

      10.24561/00019076

  • [学会発表] 保育所における母親の「子どもへのかかわり」サポートシート活用の試み2020

    • 著者名/発表者名
      寺薗さおり・吉川はる奈
    • 学会等名
      日本保育学会第73回大会
  • [学会発表] 自己決定理論に基づく育児支援の検討:アセスメントツール活用の視点2020

    • 著者名/発表者名
      寺薗さおり・浜崎隆司
    • 学会等名
      日本応用教育心理学会第35回研究大会

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公開日: 2021-12-27  

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