本研究は、ADHDの生物学的指標の探索方法として「中間表現型」に焦点を当て、機能的近赤外光脳機能イメージング装置(fNIRS)を用いた脳賦活と実行機能課題との組合せによって測定される指標を中間表現型と捉え、特定することを目的とした。実行機能は、複合ルールルールマネージメント課題に関与する脳領域(両側前頭前野および運動前野)をfNIRSを用いて評価した。これにより、複合ルール管理の処理を担う脳領域が、認知や運動の制御を司る前頭前野や運動前野の領域を広範に賦活させることを明らかにした。今後、複合ルールマネージメント課題がADHDの中間表現型を評価する指標として有用かどうかを検討していく。
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