研究課題/領域番号 |
17K01902
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 紀子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (80726729)
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研究分担者 |
永野 純 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 教授 (10325483)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エコチル詳細調査 / 自記式質問表調査 / 親のストレス / ストレス応答行動特性 / 子どもの成長・発達 |
研究実績の概要 |
本研究は環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の九州大学サブユニットセンターの追加調査として実施する。エコチル詳細調査に参加する母子220組を対象に、母親の感じるストレス・応答行動特性と、子どもの成長発達との関連を検討する。子どもが3歳の時点で、その母親を対象としてストレス に関する自記式質問票調査を行いベースライン・データとした。子どもが4歳の時点で母親から同じ質問票への回答を得た。エコチル調査によって得られる、その1年間における子どもの健康状態(新たな疾患の発症)および精神神経系/ 身体発達に関するデータを入手し、これらをアウトカムとする。母親のストレスおよびその1年間の変化とアウトカムとの関連について解析する。
母親に実施するストレス調査票は研究分担者らが開発したもので、主として社会的関係性におけるストレス応答行動特性を評価する全45 項目のうち、先行研究で子どもの喘息予後を有意に予測した尺度を構成する 22 項目を抜粋して用いた。子どもについては精神神経発達検査(新版K式発達検査)および医学的検査(身体計測、医師の診察等)の結果を用いた。
一次評価項目は子どもの疾患・障害の発症(精神神経発達障害、免疫系の異常、代謝・内分泌の異常等)、二次評価項目は子どもの情報(身体発達・生活習慣など)、母親の情報(疾病罹患の有無、治療状況、社会的支援、パートナー関係等)、親子の交流(交流の量と質、すなわち交流時間と言語的・直接的コミュニケーション)を用いる。母親のストレス・応答行動特性を連続変数、子どもまたは母親の疾患・障害の有無を二値変数、その他の子どもまたは母親の特性を連続変数または順序変数として取り扱う。二変数間の関連はスピアマ ンの順位相関を用いて検討する。多要因を補正した関連は、線形重回帰モデルまたは多重ロジスティック回帰を用いて解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベースライン調査および追加調査の完了が当初の予定より遅延したが、これは対象者の転居等の事情で対象者との調査日程調整に当初の予想以上の時間を要し たことが一因と考えられた。また、エコチル詳細調査による子どもの医学的検査データの入手が2019年度後半となった。母親のアンケート調査の結果と子どもの 医学的検査データの照合は個人識別情報を除いて作業IDのみで実施したが、照合作業に予想以上の時間を要した。 現在データ解析中である が、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で研究者間での情報共有や意見交換を対面で行うことができず、すべてメールでのやり取りとなり、解析結果についての検討が遅延する要因となった。そのため学会発表および論文化は2021年度となる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度中に解析結果についての最終的な検討を研究者間で行い(可能ならば対面で意見交換を実施)、今年度中の学会発表や論文化を目指すこととしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で研究者間で解析結果についての議論が十分になされず、結果として学会発表や論文化が行えなかった。 未使用額については2021年度中に学会発表や論文化に必要な経費(論文校閲費用、投稿費用、学会旅費など)に充当する予定である。
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