研究課題/領域番号 |
17K01902
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 紀子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (80726729)
|
研究分担者 |
永野 純 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 教授 (10325483)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | ストレス応答行動特性 / セルフレギュレーション / IgE関連アレルギー疾患 / 子どもの成長・発達 |
研究実績の概要 |
2022年度はデータの解析を行った。 養育者(主として母親)の感じるストレスおよびストレス応答行動特性の評価には、先行研究にて研究分担者のNaganoらが開発したストレス調査票(Stress Inventory)、およびセルフレギュレーション質問票16項目日本語版(SR16-J)の2つを用いた(いずれも自己記入式質問票、紙媒体で実施)。養育者のストレス応答行動特性として6つの尺度(セルフレギュレーション、対象依存(失意)、対象依存(怒り)、不利な状況、受容欲求の非充足感、利己性、利他性)を用いたが、このうち先行研究からとりわけ子どもの疾患の発症・進展に影響を及ぼすと予測されるセルフレギュレーションについて、関連を検討した。 IgE関連アレルギー疾患(気管支喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・食物アレルギーの6疾患)の新規発症群と、アレルギー疾患がない群での母親のセルフレギュレーションに有意な差はなかった。 子どもの発達と親のストレスについては、新版K式発達検査での発達指数(DQ):P-M(姿勢・運動)、C-A(認知・適応)、L-S(言語・社会)の3つのカテゴリー毎のDQおよび全領域のDQについて検討を行い、DQ(2歳、4歳、および2歳→4歳のDQの差)と母親のセルフレギュレーションに有意な相関はみられなかった。 その他の尺度についても、親の感じるストレスやストレス応答行動特性と子どものアレルギー関連疾患の新規発症に明らかな関連は認めなかった。 結果の公表に先立ち、本研究で用いた日本語版SR16-Jの心理測定的妥当性と信頼性の検討を行う必要があった。そこで、健康な人と慢性疾患のある人の2つの集団について検討を行い、SR16-Jの信頼性と妥当性が確かめられたため論文にて報告を行った。これをふまえて、本研究の結果につき論文で報告する準備をすすめている。
|