研究開始当初は「子ども食堂」の周知を第一目的としていたが、5年後の今日鹿児島では110を超えることができた。この間、ボランティアの意識調査の分析・まとめに関して『森の玉里子ども食堂奮闘記』を出版し、「子ども食堂の広がりは何を意味するのか」(2017年8月号家庭科研究 めばえ社)が掲載されてから、行政・企業・社会福祉協議会・生協・教育委員会などの連携が行われ、県として子ども食堂への予算が付与された。理論的な研究業績としては、「世代間交流―老いも若きも子どもも」(日本世代間交流協会第11号 2018 19-26)、『子ども食堂における身近な自然体験活動の実践』(鹿児島大学教育実践研究 Vol.28 47-56)『鹿児島県における子ども食堂のとりくみ』(鹿児島大学教育実践研究 Vol.28 171-180)という論文と報告書を提出した。 2019年は、大手金融企業から、冷凍庫・ノポリバタの提供があり、「子ども食堂」は多様な取り組みができ、まさに「地域貢献」としての役割を担った。「危機にある子育て環境」増田彰則編著―『鹿児島の子どもの貧困と子ども食堂の役割』を出版、「子ども食堂の役割」(自治研究所 自治研かごしま 20-28)が掲載された。 しかし、コロナ禍にあって、子ども食堂は休店を余儀なくされ、その中でもフードバンクの支援を得、「フードパントリー」「ドライブスルー」などを考案し続行できた。「子ども食堂と食品ロスの問題について」(神戸女子大学『教育諸学研究』第34巻 107-120)に掲載し、「ケアリングとしての子ども食堂」として、三学社から出版予定(執筆分担)である。
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