研究課題/領域番号 |
17K01918
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石井 香織 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (10548697)
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研究分担者 |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
柴田 愛 筑波大学, 体育系, 准教授 (30454119)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 座位行動 / 健康 / 関連要因 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子どもの客観的・主観的に評価した座位行動の実態を示すと伴に、座りすぎ(長時間の座位行動)の健康・学力・体力への影響及び決定要因を縦断コホート研究デザインにて明らかにすることである。2年目である本年度は、初年度に取得したベースラインデータを使用し、座位行動に関連する要因の特定およびアウトカムとの関連を横断的に検討した。コホートⅠについては、調査・測定を完遂した首都圏の区市の住民基本台帳より無作為に抽出した小学1年~6年生の男女457名を対象とし、座位行動に関連する要因を特定すべく、データ整理および解析を進めている。コホートⅡについては、ある小学校に通う児童を対象とし調査したデータより、余暇スクリーン時間および身体活動の多寡が学業成績へ与える影響を検討した。余暇スクリーンタイムおよび身体活動ともに、推奨ガイドライン(余暇スクリーンタイム1日2時間以上/未満、1日60分以上の身体活動を行っている/いない)の基準に基づき、①「座りすぎ/あまり動かない」②「座りすぎではない/あまり動かない」③「座りすぎ/よく動く」④「座りすぎではない/よく動く」の4群で学業成績が良いことへの影響を検討した。その結果、座りすぎであまり動かない児童よりも座りすぎではなくあまり動かない児童は2.03倍、座りすぎではなくよく動く児童は2.74倍学業成績が良いことと関連していた。つまり、よく動いている/動いていないにかかわらず、余暇スクリーン時間で座りすぎであることは学業成績が悪いことと関連していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり遂行することができている。
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今後の研究の推進方策 |
横断調査のデータ解析を進めるとともに、初年度行った調査の追跡調査を実施する。縦断研究デザインにより、座りすぎ(長時間の座位行動)の健康・学力・体力への影響及び決定要因を検討する。具体的には、2年間での客観的及び主観的座位行動の変化に影響を与える要因及びそれらがアウトカム変数に与える影響を社会人口統計学的要因を層化または調整変数とした多変量解析により検討を行う。これらの検討により、座位行動により引き起こされる健康影響及び座位行動を減少させるために働きかけるべき要因を特定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果発表のための旅費等の支出がなくなったことに加え、初年度の調査協力者が想定よりも多く、平成31年度の調査に充てる経費が多くなることが予想されるため、次年度使用額が生じた。また、使用計画としては、上述の理由より調査に充てる。
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