研究課題
本研究の目的は、子どもの客観的・主観的に評価した座位行動の実態を示すと伴に、座りすぎ(長時間の座位行動)の健康・学力・体力への影響及び決定要因を縦断コホート研究デザインにて明らかにすることであった。初年度は、ベースラインデータの収集及び客観的・主観的座位行動の特徴を記述疫学的に明らかにすることを目的に調査を実施した。コホートⅠについては、首都圏の区市の住民基本台帳より無作為に抽出した小学1年~6年生の男女2,400名を対象とし、郵送法による質問紙調査及び加速度計7日間連続装着による座位行動の評価及び関連要因を調査した。コホートⅡについては、学校長より調査に協力の同意が得られている小学校の全児童を対象とし調査した。調査の方法は、留め置き法での質問紙の回答を依頼した。アウトカム評価で必要な体力及び学力のデータについては、該当児童のデータを学校より得た。2年目は、初年度に取得したベースラインデータを使用し、座位行動に関連する要因の特定およびアウトカムとの関連を横断的に検討した。コホートⅠについては、調査・測定を完遂した者を対象とし、座位行動に関連する要因として自宅内や自宅近隣、学校内の環境要因を特定した。座位行動および身体活動の多寡が学業成績および体力、体格へ与える影響を検討した。座位行動および身体活動ともに、推奨ガイドラインの基準を満たしている者は満たしていない者よりも学業成績および体格の指標が良好であった。最終年度は、初年度と同様の対象・項目にて追跡調査を行い、2年間の座位行動の変化に影響を与える決定要因の特定及び学業成績、体力、体格との因果関係を縦断的に特定した。本研究期間をとおし、子どもの座位行動を減少させるための根拠であるアウトカムとの関連のみならず、座りすぎを引き起こす原因を特定することができた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
International Journal of Environmental Research & Public Health
巻: 17(3) ページ: 757
10.3390/ijerph17030757