研究課題/領域番号 |
17K01919
|
研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
清水 順市 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (10126584)
|
研究分担者 |
米津 亮 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (50363859)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 白杖 / グリップ形状 / 筋電位 |
研究実績の概要 |
2年目になる2018年は,白杖グリップの周径を小,中,大の3種類を学外杖製作所に製作依頼した,それぞれのグリップの使用時における上肢筋電位を採取した,グリップの周径は小;79-91mm, 中;87-103mm,大;95-110mm,重量は小;219g, 中;219g,大;241gであった.採取した対象筋は前腕部の手指屈筋群,手指伸筋群,腕橈骨筋,上腕筋の4筋とした,筋電計はS&ME社BioLog,電極はアクティブ電極DL-141(電極間距離12mm)を筋腹中央部の置いた.筋電位解析はDKH社のTRIAS2を用いた.採取した筋電位には10Hz~450Hzのバンドパスフィルターをかけ,全波整流後に課題開始から0.5秒間の電位のRMS を算出して比較検討した. 白杖操作の課題は,①安静,②床からの挙上,③タッピング,④スライディング法であり,各々の操作時の電位を記録した.対象は上肢に外傷や疾病歴がない18歳から40歳の女性11名で平均年齢は21.1歳であった.また,基本情報として,手掌の長さと中指の長さを測定した. 統計はStatFlex ver.6.0を用いて,グリップ径と筋電位は群間比較,指と手掌の長さと筋電位は相関関係をみた. 結果:1)グリップ径と筋電位の関係は①手指屈筋群ではグリップ「小」の電位が全ての操作において高く,「中」の電位は低かったが,有意差はなかった.②手指伸筋群はグリップ「中」が全ての操作において平均電位が高い傾向であったが,有意差はなかった.③腕橈骨筋はグリップ「中」がliftにおいて平均電位が高い傾向であったが,有意差はみられなかった. さらに,全盲の女児(7歳)に一例み対し,3種類のグリップ使用時の筋電位を測定し,電位量を比較したが有意な差はなかった.しかし,従来の白杖グリップと比較し握りやすいという意見があった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グリップを製作して,その使用状況を確かめる段階まで到達している.データの解析も順調に進んでいるが,予定していた,白杖操作および訓練に関するマニュアル制作の進行が若干遅れている.遅れている理由は初年度に採取したデータを基に英文での論文作成に費やしたためである.その結果,British Journal of Occupational Therapy 4月号に掲載された.
|
今後の研究の推進方策 |
3年目の課題は,下記の3つである. ①白杖操作および訓練マニュアルの作成 ②視覚障害児の杖操作中の筋電図採取 ③日本語論文の作成(日本語論文は,晴眼児童と視覚障害児童の杖操作時の筋電位の比較) 以上.
|
次年度使用額が生じた理由 |
最終年度は,白杖操作マニュアル作成に予算が必要になるので,残してある. また,今年度は,被験者に謝金は必要なかったが,来年度はわからないために残してある.
|