研究課題/領域番号 |
17K01921
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
小栗 和雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (10387516)
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研究分担者 |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 教授 (50422209)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腸内細菌 / 小児 / 体力 / 体格 / 運動習慣 |
研究実績の概要 |
本研死の目的は、幼児期の腸内細菌叢を縦断的に測定し、幼児期における腸内細菌叢の構成と変化、および個体差を明らかにすること、また体格や体力の測定を同時に行って腸内細菌叢が肥満や痩せ、体力の高低とどのように関係するのかを明らかにすることである。 本年度は、昨年度に得られたデータを横断的に分析すること、また昨年度に獲得した対象者を再度縦断的に測定することであった。 男女児にlnumin6社製の次世代シークエンサーを用いて16SrRNA解析を行った結果、男女の腸内細菌叢の4つの門の構成は、Firmicutes門が60.8%と56.4%、Bacteroidetes門が30.0%と32.7%、Actinobacteria門が6.4%と8.7%、Proteobacteria門が1.9%と1.6%であった。これに対して、肥満度が77.3%と重度肥満である男児A(年齢6.5歳)では、Firmicutes門が65.9%、Bacteroidetes門が27.9%、Actinobacteria門が3.1%、Proteobacteria門が2.7%であった。肥満度が43.1%と重度肥満である男児B(年齢6.5歳)では、Firmicutes門が85.1%、Bacteroidetes門が0.5%、Actinobacteria門が14.3%、Proteobacteria門が0.1%と男児の平均的な分布とは大きく異なっていた。細菌叢の多様性は、幼児平均で12.6%であった一方、上記の男児Aは9.8%、男児Bは9.6%と低い値であった。また乳酸菌の割合は、幼児平均で1.9%であった一方、上記の男児Aは6.6%、男児Bは8.7%と極めて高い値であった。 以上の結果から、幼児に肥満度が高い場合、腸内における細菌叢の分布が平均とは異なること、細菌叢の多様性が乏しいこと、特に乳酸菌の割合が平均とは異なる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は昨年度に収集したデータの分析、および各学会における発表を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、幼児期の腸内細菌叢を縦断的に測定し、幼児期における腸内細菌叢の構成と変化、および個体差を明らかにすること、また体格や体力の測定を同特に行って腸内細菌叢が肥満や痩せ、体力の高低とどのように関係するのかを明らかにすることである。したがって、今年度に検査対象となった幼児を対象に来年度以降も継続して調査を行っていく予定である。また、体格・体力との関遮性について検討していく予定である。さらに、検討結果を各学会において研究発表として公開していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今後の新規の対象者獲得と測定、各学会における研究発表、論文の発行において助成金を利用する予定である。
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