研究課題/領域番号 |
17K01922
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
石山 ゐづ美 常葉大学, 保育学部, 教授 (70541704)
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研究分担者 |
赤間 公子 信州豊南短期大学, 幼児教育学科, 教授(移行) (40759883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インフォームド・アセント / アセント能力測定尺度 / アセント文書 / レジリエンス / 子どもの権利 |
研究実績の概要 |
本研究では、子どもがその理解力に応じた説明を受け、賛意を持って研究に参加するインフォームド・アセントのプロセスに用いるための、「理解と認識」「選択の表明」「論理的思考」の三セクションから成るアセント能力測定尺度(以下IACCA)を開発している。 最終年度は、IACCAおよびアセント後に子どもが賛意を持って参加する研究として設定する「幼児用レジリエンス尺度」の二尺度を用いた面接調査を、A子育て支援センター(2019年8月)およびB幼稚園(2020年2月)の協力を得て実施した。4-6歳児を対象とするため、調査の文言は新版K式発達検査を参考として、4歳児に理解可能な表現に改編された。IACCAとともに用いる (1) 説明用リーフレット(説明書)、(2) かくにんしょ(同意書)、(3) やめます(同意撤回書)の三アセント文書は図版入りで作成された。レジリエンス尺度は20項目で構成され、4歳児に理解可能な表現を用いるとともに、場面想定がしやすい補助図版20点が作成された。レジリエンス尺度の妥当性を検証するため、保護者と幼稚園教諭にも尺度への回答を求めた。 親子41組と教諭1人の参加が得られ、4歳児10人・5歳児9人・6歳児22人、児の性別は女児55%、児の平均所要時間はIACCA 9.2分、レジリエンス尺度4.9分であった。 解析の結果、4歳児と5歳児ではIACCA得点に有意差がみられ(p<0.01)、セクションでは「理解と認識」に差があること(p<0.01)、および5歳児と6歳児にはそれらの差がみられないことが明らかになった。レジリエンス尺度については、児の自己評価得点と比較して保護者の子ども評価得点が有意に低いこと(p<0.01)、および児の自己評価と教諭の子ども評価との間に差がみられないことが明らかになった。 今後はさらに調査を継続し、開発中の二尺度の標準化を目指していく。
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