研究課題/領域番号 |
17K01931
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
栄留 里美 大分大学, 福祉健康科学部, 助教 (60708949)
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研究分担者 |
農野 寛治 大阪大谷大学, 人間社会学部, 教授 (30300338)
久佐賀 眞理 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10312167) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 訪問アドボカシーの方法の開発 / 報告書 / 査読論文 |
研究実績の概要 |
英国をモデルとして児童養護施設を定期訪問する「訪問アドボカシー」を2年間試行的に行った後の利用者評価調査を査読論文や雑誌に投稿し掲載された。その論文はアドボケイトを利用した子ども19名,職員7名にインタビュー調査を行い,事前ニーズ調査(2014~2015年)との比較から実践を踏まえた意義・課題を明らかにすることが目的であった。この論文では以下のことを記載した。「職員の多忙さ等を背景に,子ども・職員双方が個別面談を高く評価した.面談で子どもが不満を話すことで落ち着き,自分から話すようになったといった【子どもに肯定的変化があった】.職員は「後回し」になっていた子どもの思いを聴こうと【職員の権利意識が向上した】.一方,子どもは訪問時間が短いという【時間不足】を課題とした.職員は秘密保持等の【アドボケイトの原則への不満】【役割のわからなさ】を語っており,役割理解は容易ではないことが改めて確認された. また、報告書では実践のエピソード記述、アドボケイト自身のインタビュー調査結果について研究を盛り込むことができた。訪問アドボケイトの実践をもとにガイドラインを仲間らとともに作成し、2021年4月に出版された。『アドボカシーってなに?施設訪問アドボカシーのはじめかた』(解放出版)である。英国をモデルにしたアドボカシーモデルを行うために、アドボケイトのトレーナー養成を以前調査した。その調査を査読論文にまとめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響で、施設訪問アドボカシーのアクションリサーチの報告会や意見聴取、海外へ出向いての視察とその比較についても行うことができなかった。 その一方で、これまでのアクションリサーチをまとめた報告書や論文にまとめることができたという成果があることから「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度もアクションリサーチはコロナの影響で難しいと思われる。したがって、一般の方々に研究成果を知ってもらうために、学会発表や本の執筆などを行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響でアクションリサーチ・海外調査ができなかったため予算が余った。一般の方々に研究成果を知ってもらうために、学会発表や本の執筆などを行っていく予定である。そのための学会参加費や成果をまとめるための補助者の人件費・設備費に充てたいと考えている。
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