研究課題/領域番号 |
17K01932
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研究機関 | 足利短期大学 |
研究代表者 |
佐々木 由美子 足利短期大学, その他部局等, 教授 (80742874)
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研究分担者 |
林 恵 帝京短期大学, 帝京短期大学, 教授 (60759380)
岡本 拡子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 教授 (80309442)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ダイバーシティ / 乳幼児期 / 人的環境 / 多文化理解 |
研究実績の概要 |
これまでの研究から、群馬県大泉町の保育・教育現場において、外国人児童の課題、外国人保護者の課題、多文化保育に関わる保育者の課題が明らかになった。外国人児童の主な課題は、ダブルリミテッド・バイリンガルによる低学力、および社会情動的スキルの発達阻害である。一方、外国人保護者の主な課題は、不安定な収入による貧困や教育への無関心である。他方で、保育者の課題は、日常の業務が多忙であること、多数の外国人児童の在園が常態化しているために改めて多文化保育に向き合えないことである。 こうした背景から、多文化保育・教育に関する支援対象は外国人児童に限ったものではなく、その子どもたちを取り巻く人的環境である保護者や保育者へのアプローチも必要である。本研究では、群馬県大泉町を研究フィールドとし、乳幼児期の子どもをとりまく人的環境としての保護者および保育者にアプローチした。 それらの取り組みの主なものとして、多文化保育研究会をとおした保育現場および行政との連携、保育者養成における多文化保育涵養のための授業の実施、学校現場と地域の連携による外国人児童への支援、子どもの生活・学習支援事業、そして外国人親子を対象とした就学前親子教室の開催などがあげられる。さらに、海外の多文化保育・教育を実際に現地に赴いて学び、それを日本の保育に活かす取り組みもおこなってきた。 その結果、大泉町の保育・教育の現場がダイバーシティに向けて変容しつつあると考えられる。しかしながら、外国人児童に関わる保育者には、改めて多文化保育に向き合う機会を提供し、多文化保育研究会をとおして情報共有と協働の場を継続して提供していくことが必要である。また、情報が圧倒的に不足している外国人保護者には、必要とする情報を見つけ、発信していくことが今後の課題である。
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