子どもは、大人に比べて放射線感受性が高く発癌リスクも高い。近年、医療分野での放射線利用(X線検査、CT検査、放射線治療)の増加に伴い子どもの医療被ばくが増加傾向にある。 遺伝性非ポリポーシス大腸癌患者は、健常者より癌の発症リスクが高い。しかしながら、遺伝性発癌高リスク群の子どもが被ばくした場合の発癌リスクに関する知見は少ない。我々は、遺伝性大腸癌高リスク群のモデルマウスを用いて子ども期の被ばくによる発癌リスクを検証した。 その結果、子ども期に被ばくしても大腸癌のリスクは増加しなかった。しかし、被ばく後に腸炎などの炎症性腸疾患を惹起した場合にリスクが増加する可能性が示唆された。
|