研究課題/領域番号 |
17K01940
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋本 誠 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (90292094)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 光アフィニティーラベル / 機能解析 / 生理活性物質 |
研究実績の概要 |
生理活性物質機能解析法の一つである光アフィニティーラベル(photoaffinity label, PAL)においてラベル後の検出の為タグを導入する必要があるが、母核構造 に大きな化学修飾を施した場合親和性等への影響が心配される。近年PAL 後にタグを導入するポストファンクショナル法がよく利用されているが、1種類の検出 タグの利用するにとどまっている。PAL のもう一つの利点とされている、光ラベルされた活性部位の単離・精製・同定への展開するためには、導入 後切断可能な部位を持つ、複数タグ導入可能な骨格が有用と考えた。近年申請者が確立したα-アミノ酸から導かれるα-アミノフェニルケトン骨格が、ここで求 められる分解・切断の特徴を持つことを見出したことから、アミノ酸の官能基を利用した、この骨格を用いた新規複数タグ導入可能ポストファンクショナル法の 開発並びにPAL 活性部位単離への利用の検討を立案した。今年度は前年度に合成に成功したα-アミノフェニルケトン骨格の光照射による側鎖切断反応を検討した。実際の生体分子の解析を視野に入れ、リジン由来のα-アミノフェニルケトン誘導体を用い希薄水溶液中における光照射反応に供したところ、主鎖の切断よりもすばやく側鎖の切断が観察され、これまでに無い効率的な解離方法が可能である事を明らかとした。他のアミノ酸由来のα-アミノフェニルケトンも同様な切断が可能ですあることもあわせて確認した。切断後に残存する化合物の構造はグリシン骨格を有することからこれを利用した再検出タグの導入を検討中ですある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回立案した手法はαーアミノ酸から誘導されるαーアミノ芳香族ケトンの主鎖と側鎖を区別する事が重要であるが、水溶液中での切断検討により側鎖選択的に切断が可能であることが明らかとなったため
|
今後の研究の推進方策 |
αーアミノ芳香族ケトンの芳香族上に置換基を導入して置換基効果による目的とする効率的な切断に最も適した骨格のチューニングを検 討する必要がある
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の輸入消耗品の納期が予定よりも長くかかってしまったため、次年度使用額が発生した。次年度近々の消耗品費として使用する予定である。
|