研究代表者は,これまでにヒト唾液およびイネ由来の生理活性タンパク質(α-アミラーゼおよびディフェンシン)が内毒素と結合することを発見した。とりわけα-アミラーゼにおいては,口腔内においてデンプン分解を担うだけでなく,免疫賦活にも関与する新たな可能性を示した。また,見出したディフェンシンは,既存の抗真菌薬とは異なるメカニズムにより抗真菌活性を発揮する。この抗生物質としての使用は,社会問題となっている薬剤耐性菌の出現リスクを抑えることが可能と考えられる。本研究により解明したこれら生理活性タンパク質の分子メカニズムの一端は,新たな抗歯周病・抗炎症治療法の開発に波及することが期待される。
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