【蛍光ビーズの表面修飾と抗体結合】 凝集誘起発光化合物を内包した高輝度蛍光ビーズをコアとして、ビーズ表面にカルボキシル基が修飾されるようにコアシェル重合を行った。さらにスペーサー分子としてPEGで伸長することによって抗原とビーズ、もしくはイムノクロマトキットのメンブレンとビーズとの非特異吸着を防ぐようにした。PEG鎖の先には、縮合反応により、抗体を結合させ、イムノクロマト用標識化抗体とした。
【市販イムノクロマトキットとの比較】 この標識化抗体を用いて、メンブレンに吸収パッド、サンプルパッドを重ね合わせ、イムノクロマトキットを作成した。キットを用いて、市販の不活化インフルエンザウイルスの検出試験を行ったところ、同じ抗体に金コロイドで標識化したものを使った市販のキットに比べ、100倍の高感度化を達成した。検出試験終了後、キット内部を調査したところ、前年度に見つかったメンブレン上で高輝度蛍光ビーズが目詰まりしている現象はほとんど見られなくなった。上記のPEG修飾により、昨年度の課題を解決できたものと考えている。
|