研究課題/領域番号 |
17K01959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ケミカルバイオロジー
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
篠原 憲一 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70378561)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エピゲノム制御 / 核酸化学 / 遺伝子発現制御 / ヒストンメチル化 / ピロール・イミダゾールポリアミド |
研究成果の概要 |
本研究では、新しいタイプの抗がん剤として有望である、リジン特異的脱メチル化酵素(LSD1)阻害剤を、さらに効率良く機能させるために、DNA配列を認識できる小分子であるピロール・イミダゾールポリアミド(PIP)との融合させ、これまでにない機能を有する新規抗がん剤シーズの開発を目指した。 LSD1阻害剤単体で処理したがん細胞では、GC配列に富むゲノム領域が主に標的となっていたが、AT配列へ結合するPIPとの融合体を投与した細胞では、標的箇所がAT配列に富む領域に変化した。 以上の結果より、PIPとの融合体によって新しいエピゲノム制御型の抗がん剤を生み出せる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
ケミカルバイオロジー
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞の運命は、染色体上のDNA配列によるゲノム情報と、その周辺の化学的修飾であるエピゲノム情報に制御されている。本研究により、PIP-LSD1阻害剤の融合分子によって、ヒストンメチル化を選択的に制御できる新規概念が構築された。これら融合分子を用いてエピゲノム情報を改変する手法は、がんだけでなく様々な疾患治療に対しても有用性を見出すことができる。さらに、現時点で未解明な部分の多いヒストンメチル化のエピゲノム情報解析を大きく進歩させるツールとしても利用価値が高い上、細胞リプログラムやウィルス感染治療等にも応用が可能である等、極めて広い分野への波及効果が期待できる。
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