研究課題/領域番号 |
17K01980
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
明間 立雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 名誉教授 (60128585)
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研究分担者 |
藤岡 仁美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50410064)
舩橋 利也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70229102)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイクログリア / 海馬 / 高次機能 / 恐怖条件づけ / AAV / Cre Lox P |
研究実績の概要 |
海馬の高次学習機能にミクログリアが関与する可能性を検討した。選択的な阻害剤であるミノマイシンを用いて、恐怖条件付け学習における作用を検討した。まず、養育環境がどのような影響を及ぼすのか検討した。その結果、ミクログリアを抑制しても集団もしくは個別ので飼育にかかわらず学習の成立に影響を及ぼさなかった。また、獲得過程や再強化過程においても、ミノマイシンは再現性のある効果を発揮しなかった。そこで部位特異的かつ時間特異的にミクログリアの機能を制御する目的で、ミクログリアのマーカーであるCD11bに注目したが、CD11bを発現していないミクログリアの存在が推測されたので、CX3CR1に注目した。CX3CR1-Creマウスやラットがいるので、いろいろな操作がしやすいと思われたからである。取り急ぎ、CX3CR1-Creラットは導入した。そこで、Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugもしくはdiphtheria toxin A subunitをAAVを用いて脳内に発現することを試みた。マイクログリアにAAVが感染すれば良いので、まず、AAV-Rh10-Iba1-mCherry/dTAを試みたが発現は認められなかった。そこでAAV-1-hM4D(Gi)pAAV CD68-hM4D(Gi)-mCherryを用いたが報告されているようなミクログリアに特異的な発現は観察されなかった。現在CAGプロモーターでAAV-5,6,9,DJ8,Rh10でミクログリアにおける発現を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
CX3CR1の動物の導入が遅れたことと、ミクログリアにAAVを感染させるのに手間取っているため。
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今後の研究の推進方策 |
動物の導入はすんでいるので、AAVさえミクログリアに感染させることができれば、一気に研究は進むと考えられる。いくつかのセロタイプの中枢神経系における発現は確認したので、発言している細胞がIba1陽性であることを現在確認している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の中核となるCX3CR1のラットが導入が遅れ、今年度にその購入、運搬に必要な額である。また、それにともない、ジェノタイプ用の物品費などがかかる。
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