研究実績の概要 |
高次学習機能にミクログリアが関与する可能性が示唆されている。ミクログリア選択的な阻害剤であるミノマイシンを用いて、恐怖条件付け学習における作用の詳細を検討した。集団で飼育しても個別で飼育してもミノマイシンは学習の成立に影響を及ぼさなかった。獲得過程と再強化過程を区別して検討したが、再現性のある効果が認められなかった。そこで、空間及び時期特異的にミクログリアが関与する可能性を考え、ミクログリアのみでCreを発現している動物にAdeno-associated Virus(AAV)を発現させ、Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drug (DREADD)やdiphtheria toxin A subunit (dTA)によってミクログリアの関与を解析することにした。ミクログリアに特異的に感染するAAVの探索を行った。一方、Rat Resource & Research Center (RRRC)でLEラットにCX3CR1によって駆動されるCreを組み込んだknockin動物を導入した。AAV-CD68-DREADDを発現させたが、報告されているようにはミクログリアに特異的な発現は観察されなかった。AAV-rh10-Iba1-mCherry/dTAを試みたが発現は認められなかった。そこでCAGプロモーターでAAV-5,6,9,DJ8,rh10でミクログリアにおける発現を検討したが、ミクログリアに特異的な発現は観察されなかった。論文にあるようなAAV-MG1.2をキャプシッドにもつAAV-SFFV-DUO-mCherry/DTAの発現を検討したが、やはり発現は認められなかった。現在、AAV-MG1.2で、原点に帰り、CMV-GFPを組み込んだもので検討しているが、Titerが上がらず苦労したが、徐々にあがっている。
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