研究課題/領域番号 |
17K01983
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
松野 仁美 (鈴木) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, 流動研究員 (40415302)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マクロファージ / ミクログリア / 神経―血管―グリアユニット |
研究実績の概要 |
中枢神経系ではミクログリアが常在性マクロファージとして働き、老廃物や死細胞を除去していることが知られている。近年スカベンジャー受容体を有する血管周囲マクロファージという細胞が脳血管周囲腔に局在し、血管内老廃物の取り込みをしていることが報告された。本研究ではマウス脳血管周囲において蛍光ラベルデキストランで染色されるスカベンジャー細胞の同定及び機能解析を行い、神経―血管―グリアユニット(NVU: neuro-vascular unit)における役割を明らかにすることを目的としている。今年度は二光子in vivo血管イメージングにてスカベンジャー細胞が血管内蛍光ラベルデキストランを回収する様子を観察し、免疫組織染色およびマクロファージ殺傷薬の投与により、蛍光色素を含む細胞の同定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二光子顕微鏡による脳血管イメージングを行った後に、組織マクロファージマーカーであるCD206, CD163、その他各細胞マーカー抗体を用いて免疫染色を行い、血管内色素を貪食しているスカベンジャー細胞は血管周囲マクロファージであることが示唆された。さらにマクロファージ殺傷作用を持つクロドロン酸リポソームの大槽投与によって、同細胞の減少が見られたことからも、脳血管周囲に存在するマクロファージであると確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は蛍光デキストランでラベルされるスカベンジャー細胞(脳血管周囲マクロファージ)について、1)どのようなメカニズムで血管内分子の取り込みをしているのか?2)神経―血管―グリアユニットを構成する他細胞との相互作用について明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の実験計画で使用した動物を使いまわすことで、予定より経費を削減できた。またイメージング後の固定組織における蛍光色素保存性の問題があり条件検討が必要だったため、学会発表を見送った。そのため次年度使用額が生じた。今年度学会発表参加費及び光学機器等購入のため使用予定である。
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