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2020 年度 実施状況報告書

穀物とイモからみるアフリカ諸国の食料生産・消費をめぐる構造変動

研究課題

研究課題/領域番号 17K02000
研究機関千葉大学

研究代表者

妹尾 裕彦  千葉大学, 教育学部, 准教授 (70451739)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードサブサハラ・アフリカ / 穀物 / 輸入 / 小麦 / 米
研究実績の概要

前年度に続き、アフリカ経済、農業・農村開発・食料等に関する諸文献(アフリカ以外も含む)の収集と読解に努め、また学会・研究会等に参加し本研究課題にかかわる研究動向等も把握しながら、以下の成果を得た。
第一に、サブサハラ・アフリカ(SSA)諸国における穀物輸入量を、穀物ごとに精査した。その際、小麦粉やメイズ粉など、通常は穀物輸入量にカウントされない加工形態での輸入についても、一定の換算係数に基づいて穀物輸入量に含めることで、SSAにおける穀物輸入の実態を総合的に把握するよう努めた。この結果、ミレットやソルガムについては、輸出入がほぼ見られず、またメイズについては一定の輸出入があるものそれはSSAの域内でほぼ完結しているなかで、穀物輸入量の大半を小麦と米が占めており、しかも製粉・精米前の生産力ベースでみると、この両者の輸入量はほぼ同程度となっていることを明らかにした。
第二に、SSAにおいて、各穀物がどこからどれだけ輸入されているのかを時系列的に明らかにするために、この実態を明らかにするマトリックスデータベースを作成した。その結果、SSAによる小麦および米の輸入相手国について、時系列的な推移を含めて明らかにすることができた。また、SSAによる小麦および米の輸入量が増えているということは、SSAの輸入相手国側からみればSSA向けの輸出量が増えているということでもあるが、そうした国々がなぜSSA向けの輸出量を増やしているのかについても、一定の見解をまとめることができた。
第三に、SSAにおける小麦および米の輸入量を製粉・精米前の生産力ベースで総合してみることで、SSAがどの国からの穀物供給にどの程度頼っているのか、つまり誰がSSAを養っていると考えられるのかを明らかにした。また、これに基づき、これまでの一般的な通念を否定する複数の事実を提示することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一定の成果を出せているため。

今後の研究の推進方策

研究成果を研究会又は学会で発表して討議に付したり、研究成果のフォローアップとなる若干のサーベイを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた一因は、研究成果を研究会又は学会で発表することができなかったことにある。したがって、発表のための旅費として、あるいは研究成果のフォローアップとなる若干のサーベイのために、支出する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 「誰がサブサハラ・アフリカを養っているのか?:その穀物輸入の過去・現在・未来」2021

    • 著者名/発表者名
      妹尾裕彦
    • 雑誌名

      『千葉大学教育学部研究紀要』

      巻: 69 ページ: 275-293

    • DOI

      10.20776/S13482084-69-P275

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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