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2021 年度 実施状況報告書

東アフリカ都市におけるエリート・シングルとハウスガールの「同居家族」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02002
研究機関東京外国語大学

研究代表者

椎野 若菜  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードハウスガール / ハウスメイド / 若者 / シングルマザー
研究実績の概要

2021年度も引き続きコロナ禍にあり、東アフリカにおけるフィールドワークを実施することはできなかった。だがオンラインにて東アフリカと東京をつなぐ研究会を開催し、情報共有をする機会を作るようにした。2021年8月には、本課題の地域別協力者であるマケレレ大学のChristine Mbabazi氏と共にContemporary Gender and Sexuality in Africaと題した論集をLangaa RPCID より出版した。ネット上で情報を収集し、SNSにてインフォーマントの動向をできる範囲でフォローしやりとりをし、コロナ禍で新たに中東にハウスガールとして移動する女性も増加している最新の情報も加え口頭発表も行った。本課題でも明らかになっていたのは、近年「ハウスガール」になる女性の典型タイプは、セカンダリー在学中の妊娠・出産が契機となる場合が多いということだったが、コロナ禍の長い休校も伴って、10代の女子生徒の妊娠がより深刻な社会問題と化している。そうした思春期の男女生徒に対しどのような性教育を行っているのか、という深刻な点に焦点を合わせ調査する必要性も洗い出されてきた。本課題の地域別協力者であるTom Ondicho氏とともに学生の性教育についての議論を行い、それに特化した共同研究の立ち上げを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍により現場に赴き調査するフィールドワークが2年間実施できていない。オンラインでの情報収集やインフォーマントとのやりとりにはつとめているものの、限界も見えてきたことは確かである。現地の地域別研究者とは、出版物を出すなど成果をあげ本課題の遂行を少しずつ進めてきたが、現場に行って聞かねば把握できない多くの新しい状況が、この2年で生じているのは確かであることが明らかになってきている。

今後の研究の推進方策

研究課題の最終段階としてまとめるためにも、コロナの感染状況を鑑みつつ、今年度中にフィールドワークを再開し、インフォーマントを訪ねインタビューをしたい。コロナ禍の影響がハウスガール市場や彼女たちの生きる選択にどのような影響があったのかもみたいと考えている。年度末には調査を終え、報告をまとめていく。

次年度使用額が生じた理由

フィールドワークを前提とした研究課題であるにもかかわらず、コロナ禍によりフィールドワークを実施できなかったため。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] Makerere University(ウガンダ)

    • 国名
      ウガンダ
    • 外国機関名
      Makerere University
  • [雑誌論文] フィールドワークと安全対策の問題点―大学院生以上の場合―2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 雑誌名

      Quadrante

      巻: 24 ページ: 97-102

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] シンポジウム 「これだけは知っておこう 留学/フィールドワークのリスクマネージメント」 開催にあたって2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 雑誌名

      Quadrante

      巻: 24 ページ: 89-92

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 'Introduction,Contemporary Gender and Sexuality in Africa: African-Japanese Anthropological Approach'2021

    • 著者名/発表者名
      Wakana Shiino
    • 雑誌名

      African Potentials: Convivial Perspectives for the Future of Humanity, Contemporary Gender and Sexuality in Africa: African-Japanese Anthropological Approach

      巻: 7 ページ: 1-33

    • 国際共著
  • [雑誌論文] Changes in the Traditional Social System of Polygyny: Kenya's Independence to the Present2021

    • 著者名/発表者名
      Wakana Shiino
    • 雑誌名

      African Potentials: Convivial Perspectives for the Future of Humanity, Contemporary Gender and Sexuality in Africa: African-Japanese Anthropological Approach

      巻: 7 ページ: 57-89

    • 国際共著
  • [学会発表] 「日本文化人類学会の男女共同参画の歴史・現状:ジェンダー比をみることから」2021

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 学会等名
      日本文化人類学会
  • [学会発表] 「子育てとフィールドワークの両立という観点から、子育てフィールドワーカーが直面する困難」2021

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 学会等名
      日本文化人類学会
  • [学会発表] FENICS×文化人類学会×GEAHSS共催シンポジウム「人類学者の心地よいライフワークバランスを考えるために:文化人類学会の現状を知ることから」2021

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 学会等名
      日本文化人類学会
  • [学会発表] 「アフリカの男女学生の性・生理の知識――ケニア・ウガンダでの調査から」2021

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 学会等名
      民博共同研究「月経をめぐる国際開発の影響の比較研究――ジェンダーおよび医療化の視点から」
  • [学会発表] 「留学・フィールドワーク推奨、そして安全対策の問題点ー大学院の場合」2021

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 学会等名
      TUFS ジェンダー・フェミニズム研究 連続シンポジウム
  • [図書] Contemporary Gender and Sexuality in Africa: African-Japanese Anthropological Approach2021

    • 著者名/発表者名
      Wakana Shiino, Christine Mbabazi Mpyangu eds.
    • 総ページ数
      364
    • 出版者
      Langaa RPCIG
    • ISBN
      978-9956552726
  • [図書] 『現場で育むフィールドワーク教育(FENICS 100万人のフィールドワーカー4)』2021

    • 著者名/発表者名
      増田研・椎野若菜編
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      古今書院
    • ISBN
      9784772271257
  • [学会・シンポジウム開催] Global Youth Dynamics and ‘reality’ negotiation in Eastern Africa2021

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公開日: 2022-12-28  

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