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2022 年度 実績報告書

東アフリカ都市におけるエリート・シングルとハウスガールの「同居家族」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02002
研究機関東京外国語大学

研究代表者

椎野 若菜  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードハウスガール / シングル女性 / 若者 / セクシュアリティ / ライフコース / 教育 / コロナ禍
研究実績の概要

コロナ禍によりフィールドワークが予定通り実施できず、延長を繰り返すことになったが、最終年にあたっては、これまで培ってきたケニア、ウガンダの研究者との関係性をオンラインにて積極的に強化し、Internetにアクセスできる現地の研究者らと研究ネットワークを形成することができた。それによって、国際的な口頭発表、出版がすすんだ。
後半には所属先の研究所にてナイロビ大学から研究協力者であるトム・オンディチョ准教授を共同研究者として招へいし、本課題の「ハウスガール」に多いシングルマザー、性観念の変化、性教育について議論し、2023年1月末に開催した国際シンポジウム「現代アフリカにおけるセクシュアリティ:伝統、教育、そして実践」ではその一部を発表することができた。

本課題の全体的な研究成果としては、「ハウスガール」になる人びとの契機がその育った背景にもよるが80~90年代と、小学校無償化が始まった2000年代以降に変化が見られることがあきらかになった。ハウスガールになる人びとのイメージは下流階層、小学校卒の低学歴がステレオタイプであったが、セカンダリーやカレッジ中退、卒業など高学歴化し、変化している。近年の教育熱の向上からハウスガールとして働くシングルマザーの教育費負担が大きくなり、子の大学やカレッジの学費、さらには就職先のない無職の高学歴の子を抱えるシングルマザーの困難な事態がみられた。自らの老後の居場所もないままに娘がシングルマザーになるケースも多い。
課題延長期間中には全世界がコロナ禍を経験し、アフリカにおける経済的打撃の経験は、これまでは「ハウスガール」にならなかった層が国内で経験のないまま国外、とりわけ中東にむけて「ハウスガール」として出向するという事態に大きく変化した。コロナ以前からの本研究を土台に、そのダイナミズムを今後も捉えていくべき課題もみえた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] ナイロビ大学(ケニア)

    • 国名
      ケニア
    • 外国機関名
      ナイロビ大学
  • [国際共同研究] マケレレ大学(ウガンダ)

    • 国名
      ウガンダ
    • 外国機関名
      マケレレ大学
  • [雑誌論文] 「ハウスガールの人生を想う」2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 雑誌名

      『フィールド+』

      巻: 28 ページ: pp14-15

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「街の看板からジェンダーを読み解くフィールドワーク」2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 雑誌名

      『月刊 地理』

      巻: 67-5 ページ: 50-58

  • [雑誌論文] 「コラム:『現場で育む フィールドワーク教育』のススメ」2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 雑誌名

      『月刊 地理』

      巻: 67-5 ページ: 59-60

  • [学会発表] 'Transmission of sexual knowledge- tradition and intergenerational disconnection in rural Kenya'2023

    • 著者名/発表者名
      Wakana Shiino
    • 学会等名
      【TUFiSCo-ILCAA International Symposium】Sexuality in Contemporary Africa: Tradition, Education and Practices 現代アフリカにおけるセクシュアリティ: 伝統、教育、そして実践
    • 国際学会
  • [学会発表] 「父系社会に生きる女たちーアフリカと日本の伝統社会と現代」2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 学会等名
      FENICS×志縁の苑×ジェンダー・セクシュアリティ人類学研究会 共催サロン
  • [学会発表] 'Distorted Sexual Knowledge-A case of Kenyan Primary School Students from MHM Survey'2022

    • 著者名/発表者名
      Wakana Shiino
    • 学会等名
      MHM Workshop “DIVERSIFYING MENSTRUAL HYGIENE MANAGEMENT EDUCATION IN UGANDA”
    • 国際学会
  • [図書] 『月経の人類学ー女子生徒の『生理』と開発支援』2022

    • 著者名/発表者名
      椎野若菜
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      世界思想社
  • [備考] Sexual Education Handbook for Students in Kenya

  • [備考] 東アフリカのポスト大学大衆化状況と人社系の進路決定:その考慮事項と選択構造の解明

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公開日: 2023-12-25  

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