南アジア地域経済研究者が、国際経済学、歴史人口学、開発経済学などの応用経済学者との共同研究を通じて、南アジアの長期経済発展に関する信頼できる統計を整備し、共同で発展過程を実証的に明らかにした点に、本研究の学術的意義がある。1988年設立の日本南アジア学会において経済史や経済動向の研究に長く携わってきた研究者と、日本の長期経済統計の構築で先駆的役割を果たした一橋大学経済研究所にベースを置く研究者とが協働し、史資料の丁寧な吟味を経た正確な長期統計の構築と、南アジアの歴史や社会の詳細な背景知識に支えられた、適切な実証分析結果の解釈が可能になった。研究成果が広く利用可能になるための刊行準備が進んだ。
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