• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

紀要を見直す―被引用分析を通じた紀要の重要性の実証と紀要発展のための具体的提言

研究課題

研究課題/領域番号 17K02015
研究機関京都大学

研究代表者

設樂 成実  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00727943)

研究分担者 北村 由美  京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
亀田 尭宙  国立歴史民俗博物館, 国立歴史民俗博物館, 助教 (10751993)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード学術出版 / 紀要 / 学術コミュニケーション
研究実績の概要

今年度は、紀要の編集現場の現状と課題を明らかにすべく、紀要の編集者を対象にアンケート調査を実施した。また、より個別具体的な話を聞くべくアンケートの回答者の内、10誌11名の編集者にオンラインによるインタビューを実施した。
回答した紀要の8割弱が何らかの問題を抱え、その多くが複数の問題を抱えている結果となった。問題は「原稿の不足」が最も多く、[編集スタッフの不足「時間の不足」「雑誌運営の知識や技術の継承の難しさ」と業務体制に関する問題、つぎに「国内での雑誌の知名度の低さ」「国外での雑誌の知名度の低さ」といった雑誌の評価に関する回答が続く結果となった。問題を抱える紀要の4 割強が、問題への対応を行っている、もしくは今後行う予定であり、対応策は多岐にわたる。外部に求める支援としては、「査読者の紹介やネットワークの構築」「雑誌の広報」が多く、「既刊号の電子化化作業の代行」「雑誌運営に役だつ情報をまとめたウェブサイトの作成」「編集者のスキルアップのためのセミナーの開催」「編集・印刷費の援助」と続いた。なお、約8割の紀要が問題ありと回答する一方で、外部からの支援を求める紀要は約6割にとどまり紀要に関する問題は編集委員会内で解決すべきという考えもあることが窺える結果となった。
本研究では東南アジア研究分野を対象に過去30年間の国内の学術雑誌の引用分析を行い、大学紀要及び研究所紀要からの引用が約7割を占めることを明らかにした。また紀要編集者を対象にした調査を実施し編集現場の現状と課題を明らかにした。これらの調査を通し日本の学術出版の振興策を考えるために必要な基礎データを提供するという目的を果たすことができたと考える。コロナ禍の為、海外の紀要の編集現場に向けた聞き取り調査を行い、国内の紀要の抱える問題への解決策の検討に反映することができなかった。この点は今後の課題としたい。

備考

本プロジェクトと連動し、紀要編集者ネットワークの活動を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 『東南アジア 歴史と文化』誌掲載論文の引用文献の傾向と著者所属機関における所蔵状況2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 翔, 設楽 成実, 矢野 正隆, 北村 由美
    • 雑誌名

      情報知識学会誌

      巻: 32 ページ: 73~87

    • DOI

      10.2964/jsik_2022_005

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Academic Dependency and the Publication of Journals2021

    • 著者名/発表者名
      Narumi Shitara
    • 雑誌名

      Seminar(インド)

      巻: 60 ページ: 38-42

  • [学会発表] Japan’s Southeast Asian Studies and the incorporation of regional scholarship: A citation analysis2021

    • 著者名/発表者名
      Narumi Shitara
    • 学会等名
      ICAS
    • 国際学会
  • [備考] 紀要編集者ネットワーク

    • URL

      https://kiyo.cseas.kyoto-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi