研究課題/領域番号 |
17K02025
|
研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
阿部 拓児 京都府立大学, 文学部, 准教授 (90631440)
|
研究分担者 |
田中 英資 福岡女学院大学, 人文学部, 准教授 (00610073)
守田 正志 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (90532820)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | アナトリア / トルコ / ヘリテージ / 都市文化 / 物質文化 / ウシャク / エフェソス |
研究実績の概要 |
平成31(令和元)年度は、例年通り夏季に現地トルコ共和国内における合同調査をおこなった。一方で、研究分担者の一人が研究専念期間に入り、海外に居住していたため、国内での研究会の開催は見送った。 トルコにおける合同調査は8月29日(木)から9月10日(火)の日程で実施した。まず、アナトリア中西部ウシャク県を拠点に、中小規模のモスク、トゥルベ(墓廟)群、アイザノイ遺跡、ウシャク考古学博物館などを調査した(8月29日~9月1日)。このうち特筆すべきはウシャク考古学博物館である。2018年にリニューアルしたウシャク考古学博物館は「クロイソスの財宝」と呼ばれるコレクションを目玉としているのだが、実はそこで展示されているのは、クロイソスを王としたリュディア時代のアイテムではなく、その後のアカイメネス朝ペルシア時代のものであることに注目された。この発見は、トルコ共和国内での文化遺産をめぐる物語がどのように選び取られていくのかという、本研究チームにとっての次なる課題へと発展していくこととなる。 次いで、拠点をウシャク県からイズミル県セルチュク市へと移した。セルチュクを拠点とした調査地は、以下のとおりである。ビン・テペ古墳群、サルデイス遺跡(9月2日)、テオス遺跡、メリエム・アナ・エヴィ(9月3日)、メトロポリス遺跡(9月4日)、ビルギ、ティレ市内のエクスカーション(9月5日)、ラトモス山麓のヘラクレイア遺跡(9月6日)。その後、拠点をデニズリ県パムッカレ村へと移し、ニュサ遺跡、アフロディシアス遺跡、ラオディケイア遺跡、ヒエラポリス遺跡を調査した(9月7日~10日)。 帰国後は本科研3年間の研究成果をまとめ、『トルコ・アナトリアの「歴史的重層性」と文化遺産』(京都府立大学文化遺産叢書 第17集)として刊行した。なお、過去3年間の調査実績の詳細は、本書の冒頭にも記載した。
|