タクシン元首相支持の「赤シャツ」グループの運動の主な支持者は北部・東北部の農民だと言われてきた。しかし、東北部でも、地域、村、個人のレベルで多様性が見られた。この多様性と生業や周囲の生態環境との関係を分析した。「赤シャツ」支持において対照的な二つの地域で現地調査を行い、比較分析をした。コアな支持者は、個人的な利益ではなく、「貧しい東北部の農民」として集合的にタクシン派政権から受けた恩恵に動機づけられていた。彼らは、政策的支援が必要なので民主主義が必要だった。一方、自然資源が豊かな地域では、地元の人たちは党派的政治から距離を置く傾向が強かった。生存戦略として政策的支援を前提としないからだった。
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