研究課題/領域番号 |
17K02029
|
研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
江口 伸吾 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (20326408)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 協商民主 / 権威主義 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
平成30年度は、当該研究に関連する文献資料を精読・整理するとともに、海外でのレクチャーの受講・ヒアリングを行い、その研究成果を公表することを目的とする。 まず、文献資料の精読・整理について、『郷鎮論壇』(民政部)等の中国国内の学術雑誌、State-Society Relations in the People’ s Republic of China Post-1949(2016)、『中国協商民主: 理論与実践』(2017)、『社会主義協商民主推進国家治理現代化研究』(2017)、『「強国家-強社会」-我国社会組織発展的政治分析』(2018)等の書籍資料、『人民日報』『光明日報』『新華日報』等の新聞資料を収集、精読し、本研究の最新の動向を整理した。また、Authoritarianism Goes Global: The Challenge to Democracy (2016)を精読し、国際関係論・比較政治学の視点から中国の権威主義体制の特徴を整理し、書評として『総合政策論叢』(島根県立大学)に投稿した。 次に、海外での研究活動では、これまでの研究活動をまとめて口頭発表「協商民主興中国政治」(東北師範大学・歴史文化学院東亜研究院・学術報告会、2018年5月5日、於中国東北師範大学)を行うとともに、中国政治における「協商民主」の歴史的変遷に関する意見をうかがった。 以上の研究活動の成果として、上述の口頭発表(2018年5月5日)、並びに口頭発表「習近平政治の対外政策へのインプリケーション」(日本現代中国学会第68回全国学術大会、2018年10月21日、於早稲田大学)等を公表した。後者では、習近平政権における権威主義体制の強化といった国内政治要因が対外政策に与えるインプリケーションについて考察した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の研究活動では、いくつかの成果報告の機会が得られた。とくに、「協商民主興中国政治」(東北師範大学歴史文化学院・東亜研究院・学術報告会、2018年5月5日、於中国長春市・東北師範大学)、「習近平政治の対外政策へのインプリケーション」(日本現代中国学会第68回全国学術大会、2018年10月21日、於早稲田大学)、「『一帯一路』の展開と地方政府の諸動向―サブナショナル・レベルからみた多層的な外交政策の可能性と課題」(雲南大学周辺外交研究中心主催「“一帯一路”倡議框架下中日合作的可能性」学術研討会、2019年3月6日、於中国雲南省・雲南大学)の研究報告を行い、当初の予定を上回って、現代中国政治に動向に対するアプローチの検証を進めた。したがって、この点に関する研究活動の進捗状況は、「(1)当初の計画以上に進展している」と言える。 他方、海外でのヒアリング調査では、若干の遅れが出ており、この点に関しては「(3)やや遅れている」と言える。その原因として、近年、中国国内での現地調査が難しい状況が続いていることがあげられる。 なお、前年度に続き、平成30年度においても、最新の研究動向を逐次整理した。とくにAuthoritarianism Goes Global: The Challenge to Democracy (2016)を精読し、国際関係論・比較政治学の視点から中国の権威主義体制の特徴を整理し、書評として『総合政策論叢』(島根県立大学)に投稿した。 以上の研究の進捗状況を総じてみると、「(2)おおむね順調に進展している」という状況にある。
|
今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、本研究プロジェクトの最終年度となるため、以下のプロセスを通して、研究成果を公表することを主たる目的とする。 (1) 平成29・30年度と同様、『郷鎮論壇』(民政部)、『社区』(民政部)、『改革内参』(国家発展和改革委員会)等の雑誌資料、並びに『人民日報』『文匯報』『新華日報』等の新聞資料、新しく刊行される文献資料を精読し、逐次最新の研究状況を確認する。 (2) 研究会・学会報告および論文作成という形で、研究成果を公表する。とくに10月頃を目途にして、総合政策学会研究会(島根県立大学)、北東アジア地域研究センター研究会(島根県立大学)、日中社会学会、アジア政経学会などでの議論を進め、補助調査を実施の上、年度末を目処に論文を公表する。
|