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2017 年度 実施状況報告書

中華圏におけるナショナリズムとリベラリズム:連関する大陸中国・台湾・香港

研究課題

研究課題/領域番号 17K02040
研究機関津田塾大学

研究代表者

中村 元哉  津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80454403)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード中国 / 台湾 / 香港 / リベラリズム / ナショナリズム / 『自由陣線』 / 『聯合評論』
研究実績の概要

近現代中国のリベラリズムの系譜を大まかに整理すると、自由と権力という本質的な課題を追求した民国期のリベラリズムは、1949年の前後に反共リベラリズムと容共リベラリズムへと徐々に分化していった。前者は基本的に台湾へと広まり(『自由中国』)、後者は基本的に中国の内部で伏流した(顧準、李鋭ら)。
他方で、香港では、この両者のリベラリズムが流れ込むと同時に、別種のリベラリズムも広まった。それは、現代儒家(『民主評論』)による反共リベラリズムである。このリベラリズムは、反共という点では、「自由中国」の看板を政治的に掲げた台湾の体制派とは連携可能だった。しかし、伝統思想を活用し得るのか否かという文化問題としてのリベラリズムという点からすれば、反伝統主義の立場を採った中国の体制内外の知識人や、近代西洋流の民主政治を重んじて蒋介石の独裁化を批判した香港の知識人(『自由陣線』・『聯合評論』)、あるいは台湾の体制外部の知識人(『自由中国』)とは対立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の研究計画を概ね達成でき、二年目の研究活動への布石を打つことができた。

今後の研究の推進方策

二年目は中国、香港、台湾の中華ナショナリズムについて整理し、三年目に同地域のリベラリズムとナショナリズムの関係性を解明したい。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、予定よりも海外研究出張の日数が減ったが、効率よく史料収集できた。次年度は、海外での研究出張と研究報告を積極的におこない、本研究の基盤をしっかりと固めたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 冷戦下の中国、香港、台湾のリベラリズム――1960年代~1970年代を中心に2017

    • 著者名/発表者名
      中村元哉
    • 学会等名
      日本現代中国学会
  • [図書] 対立と共存の日中関係史 共和国としての中国2017

    • 著者名/発表者名
      中村元哉
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      講談社

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公開日: 2018-12-17  

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