研究課題/領域番号 |
17K02049
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
王 柳蘭 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (50378824)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ムスリム越境 / 中国 / タイミャンマー国境 / イスラーム / 共生 |
研究実績の概要 |
1.国際ワークショップの開催 本国際学術会議、Redrawing and Straddling Borders: Chinese Muslims in Transnational Fields and Multilingual Literaturesは、2018年12月1-2日に、京都大学人文科学研究所において、京都大学人文科学研究所と同志社大学グローバル地域文化学部との共催で行われた。参加者総数は29名。橋本循財団、京都大学からの助成金を受けた。2日間の会議では、共同主催者の中西竜也氏(京都大学)と、8名の外国人研究者を加えた、総勢10名が研究報告を英語で行った。中国ムスリム研究の専門家であり、幾人かはそれと関係の深い移民研究の専門家たちである。全体として長大な時間軸と広範な空間が扱われ、中国ムスリムの「越境」が網羅的に吟味されたといえる。現在は英語による特集号の編集準備中である。 2.成果出版、発表 王柳蘭「ピンチをチャンスに『文化人類学』からの処方箋」『生きづらさへの処方箋』小山真紀他編、ナカニシヤ出版、pp.53-65、2019年2月Liulan Wang-Kanda“Border-crossing, Belonging, and Family networks among the Chinese Muslim Diaspora in Northern Thailand”. Paper presented at the International workshop on Chinese Muslims entitled "Redrawing and Straddling Borders: Chinese Muslims in Transnational Fields and Multilingual Literatures." held on Dec.1-2, 2018.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
個人研究レベルで当初は調査研究をスタートしたが、調査の進展のなかで国内外のムスリム研究者とのネットワーク形成が可能となり、2年度目において、国際ワークショップを開催できたからである。現在は、国際雑誌にその成果を特集号として投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度においては、①国際ワークショップの成果出版、②今年度からスタートした映像を通した越境社会の表象とネットワーク、対話構築という新たな課題にむけて、タイ国内外のムスリムディアスポラの家族、日常、国境を越えた関係性について、調査のみならず、映像記録を残していくことを予定している。それをさらに今後の科研申請にむけて展開したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に予算が残った理由は、当初当該年度において国際会議を実施するための予算を計上していた。幸いなことに、国際会議を実施するにあたり、橋本循記念会より国際学会開催たのための助成金を90万、さらに京都大学より100万得ることができたので、本科研費予算からの支出額はほぼなくなり、次年度に繰り越すことになった。 次年度においては、本年度末から実施している研究対象の映像撮影に必要な、パソコンならびに周辺機器、ソフト、ビデオ等の購入のために、繰越残額を使う予定である。
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