研究実績の概要 |
1.学会等発表 吉川が「2019 Global Forum on Modern Direct Democracy」(台湾)に参加し、本科研費課題のうちヨルダンの民主化と社会運動に関する成果発表を行った。佐藤は「10th International Symposium on Islam, Civilization and Science 」(マレーシア)で国際的なシリア難民支援ネットワークに関して報告し、国内では日本中東学会年次大会にて日本国内のモスクを拠点としたシリア人道支援活動に関する研究成果を発表した。 2.雑誌等論文 吉川がヨルダン民主化運動に関する論考を中国語ジャーナル『全球政治評論』で発表し、また、アラブの春以降のヨルダンの安全保障環境の変化を安全保障化の視点から分析した論考を国内ジャーナル『国際安全保障』で公表した(2020年6月刊行)。佐藤はヨルダンを舞台にした政府系・非政府系イスラーム人道支援NPOの動態を英語論文として『Asia-Japan Research Academic Bulletin』にて発表した。 3.図書 ヨルダン王制の持続性の根拠を、レジーム・セキュリティ(体制の安全保障)の視点から政治・社会・軍事等を体系的に論じた、吉川『ヨルダンの政治・軍事・社会運動―倒れない王国の模索』が、2021年2月に刊行される予定である(2020年8月校了)。一方、佐藤『難民100万人を受け入れる国・ヨルダンの話──ヨルダンってどんな国?』(2021年度刊行)では、難民を主たる研究対象としながらも、ヨルダンと周辺諸国の政治や安全保障の分析にも配慮した。これらは異なるアプローチをとりながらも、政治学(理論研究の深化)と地域研究(実証性の論及)の架橋を念頭に置いた、本研究課題の集大成といえる成果物である。
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