研究課題/領域番号 |
17K02060
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
名嘉山 リサ 和光大学, 表現学部, 准教授 (80455188)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 琉球列島米国民政府 / USCAR / ニュース映画 / 占領政策 / 教育映画 |
研究実績の概要 |
本研究では、1945年から1972年までのアメリカ統治時代の沖縄における、アメリカ政府関係機関制作映像の制作背景、流通、上映や受容について公文書を中心に調査をしてきた。また、映像を収集・分析し、これまでほとんど研究されてこなかった、アメリカが沖縄で行った映像メディアによるパブリック・ディプロマシー/プロパガンダや文化政策に関して、総合的に研究することを目的としている。 2021年度も、新型コロナ感染症の影響で、海外での調査やフィルムの収集を行うことができなかったが、国内において、新たに公開された琉球列島米国民政府の広報写真資料などを調査し収集することができた。また、琉球列島米国民政府が運営していた琉米文化会館に所蔵されていた図書や映像資料を移管・保存している施設にて、現物を確認したところ、個人から寄贈された資料の中に、琉球列島米国民政府と琉球政府が共同で制作したドキュメンタリー映画と思われる16ミリフィルムが保管されていることがわかった。 琉球列島米国民政府の広報局が製作協力を試みたが製作されなかった劇映画『太陽は撃てない』の製作協力体制構築の背景に関する論考を前年度発表したが、その原作者がその後、同名の作品を違った形で発表しつづけた経緯や、沖縄を舞台にした少年小説の内容を考察した論考、「川内康範作『太陽は撃てない』の帰着点―劇映画、テレビ映画、連載小説から少年向け反戦小説へ」が『和光大学表現学部紀要』22号に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の影響で海外渡航ができず、フィルムの収集や海外での調査は全くできなかった。その点では遅れているが、国内での資料調査や論文執筆は行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
海外渡航の見通しが立ち次第フィルムの収集を再開する。また、国内での調査も引き続き行う。論文を執筆し、研究成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症流行のため、海外渡航ができず、海外出張費やフィルム収集にかかる費用を次年度に繰り越すことになった。
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