研究課題/領域番号 |
17K02061
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
蒋 宏偉 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 特任助教 (50436573)
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研究分担者 |
田中 樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 客員教授 (10231408)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 南中国 / ラオス / 健康 / 行動調査 / TEMS |
研究実績の概要 |
令和2年度には、コロナ感染拡大の影響で、予定していたフィールド調査は、大きく影響され、すでに得られたデータの解析を中心とし、今年度の研究活動を展開してきた。まず、中国海南省の対象地について:1、これまで取集した質問票のデータの踏まえ、個人の健康状態に影響を与える社会経済要因、教育水準、身体活動、ライフスタイル、自己健康評価、居住地などのファクターから、データ分析を実施した;2、中国海南省TEMS(食事摂取動機調査)に関して、分析手法を確立し、データの解析を行った;3、海南省のTEMSの分析結果に基づき、中国の共同研究者と共同に、広範囲のウェブ調査の準備を行い、令和3年度中の実施を目指している;4、上記の1と2の分析結果に基づき、関係文献のレビューを行い、現在論文の作成を取り組んでいる。第二、ラオスの対象地について:1、これまでの調査結果をまとめ、現地の共同研究者と共作で、現地住民の空間活動と健康に関する研究成果の論文を国際誌へ投稿した;2、現地住民の生活及び新しいフィールド調査方法の開発について、日本人文地理学会及びアメリカ地理学会において、発表を行った。 研究成果の還元について、年度後半に、コロナ感染状況より安定的な時期を利用し、中国の共同研究機関に上記研究成果の進捗状況を報告し、今後同省の保健政策策定への寄与が期待できると評価された。また、海南省一部の対象地を訪問し、現地住民が参加するタウンミーティングを実施し、研究成果を報告するとともに、健康観、コロナ感染拡大中の健康対策、生業、野生動物の食用などについて、意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度には、コロナ感染拡大の影響で、予定しているフィールド活動及び住民への成果報告とディスカッションは、ほとんど展開できなかった。特に対象地のラオスは、感染拡大を防ぐために、外国人の入国はほとんど中止されていた。一方では、中国及びラオスの研究カウンターパートと密に連絡をとり、分析結果の共有を積極的に行ってきた。現在、中国及びラオス調査地の基本調査はほぼ完了し、現地のカウンターパートと共同で、問題の解決に向け、データの解析作業を実施している。また、令和2年度において、短期ではあるものの、中国対象地一部の共同研究者と住民との情報共有及び議論を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度において、今までの分析結果に基づき、現地訪問ができない場合、バーチャル方式あるいはウェブ調査などの方法で、現地の共同研究者の協力を得ながら、補足調査、及び現地住民及びほかの関係者との情報共有を行い、問題の解決及び研究計画の達成に努める。 令和3年度において、今までの研究期間中に得られたデータ及び共同研究者との議論を踏まえ、以下の活動を中心として、研究を推進していく予定である:1、タウンミーティング(もしくはバーチャル方式)の開催:現地の関係者にデータの計画を共有し、住民が参加する座談会を開催し、現在の生業、生活、健康における問題点の対策を探る;2、研究成果の公表。昨年度と同様に、研究成果の解析に基づき、国内外学会の研究発表を行うと同時に、国際誌への論文投稿を積極的に行う;3、ウェブ版TEMSを作成し、広範囲TEMSウェブ調査の展開に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響によって、年度の調査計画は、予定より遅れている。令和3年度には、もともと計画している調査地でのグループディスカッションや国際学会の発表及び論文の作業を継続的に行う予定である。詳細は以下となる: 中国調査地出張300千円/人・回×1人=300千円;ラオス調査地出張300千円/人・回×1人=300千円;現地研究協力者の謝金25千円/回×2回=50千円;論文執筆費用(英文校閲など)150千円;印刷製本などの費用45千円。 以上、合計845千円となる。
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