本研究では民族・エスニック問題が顕著に露呈しているインド北東部地域の状況を整理し、民主主義体制がこの地域で様々な政治社会問題に有効に対処できているのかどうか検討した。結論としてはインド国家に強制的に統合されたこの地域は力によって中央に包摂される中で、特別な自治制度、優遇財政支援が適用され不満が緩和されていることが示された。またエスニック集団、部族民の間の利害関係の矛盾、対立と紛争に対しても特別な自治の適用で紛争を固定化する試みがなされてきた。重要なポイントとして、様々な政治的矛盾や対立に動的に対処するために比較的に自由公正な選挙が重要な役割を果たしているということが示された。
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