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本研究は、民主化後の南アフリカにおける移民・難民の脆弱性克服と社会的統合の課題を明らかにすることを目的に実施した。2023年度は南アフリカでの最終フォローアップ調査と、英国オクスフォード大学で開催された国際会議で成果報告を行った。 最終フォローアップ調査は、2018年~2019年の聞き取り調査の協力者に対して、コロナ禍とロックダウンの時期を含む過去4~5年間の生活の変化を尋ねることを目的に実施し、コンゴ民主共和国、ウガンダ、ブルンジ、マラウイ、ジンバブウェ、ルワンダ出身の23名から調査協力を得た。失業し、生活が立ち行かなくなったために帰国を選択するコンゴ人が出現していることは2022年度のフォローアップ調査で観察されたが、今回はそれに加えて、庇護申請者を親に持つ子どもたちが高校を卒業し、成人した後に在留資格を失うケースがあることが明らかになった。移民や難民の脆弱性が世代間で継承され、増幅することを示唆する事例である。他方で、調査協力者のなかには、国境が再開した後にウガンダに帰国したものの、ウガンダ社会に馴染めず、1年足らずで非正規な方法で南アフリカに陸路で戻ってきた若い女性もいた。 本研究を通じて明らかになったのは、移動先国南アフリカの経済状況が悪化するなかで、新しい形のモビリティが生まれていること、そして南アフリカにおける移民や難民の統合がますます困難になっている現状である。2023年11月には、南アフリカ政府が新しい国際移民白書を発表し、そこでは国際難民条約からの脱退の可能性を含む難民保護体制の抜本的な見直しが提案された。グローバルサウスの盟主の一角であることを標榜する南アフリカが国際難民条約からの脱退により被るであろう国際的なバックラッシュを考えれば、可能性は低いと考えるが、移民や難民の社会的統合を積極的に図ろうとする政策が近い将来に導入される可能性もないに等しい。
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