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2018 年度 実施状況報告書

近代ドイツのナショナリズムとさまざまな女性運動ー日本のフェミニズムも含めて

研究課題

研究課題/領域番号 17K02080
研究機関奈良女子大学

研究代表者

姫岡 とし子  奈良女子大学, アジア・ジェンダー文化学研究センター, 協力研究員 (80206581)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードナショナリズム / フェミニズム / 性暴力 / 近代ドイツ / 植民地 / 女性運動 / 右派ナショナリズム
研究実績の概要

性暴力に関しては、7月に立命館大学で『戦争と性暴力の比較史へ向けて』の書評シンポジウムを主催し、成果を『立命館大学言語文化研究』30巻3号に公表した。
秋には、ドイツ人ナミビア研究の第一人者で南アフリカ・ケープタウン大学客員教授のR・ケスラー氏の案内でナミビアに行き、1,ドイツ人植民地の記念碑、ナミビアの戦争・民族・植民地などに関する歴史博物館や記念碑などの見学、2,ナミビア国立文書館での史料収集、3,当事者へのインタビューと研究交流を行なった。ナミビアでは、第一次世界大戦の敗北によりドイツが植民者としての政治的支配権を喪失したのちも、現地経済の維持のためにドイツ人が残留し、今にいたるまで、経済を支配し続けている。そのようなドイツに怒りを感じる人たちもいるが、数は少ない。国家単位では、ドイツ以降、委任統治者となった南アフリカへの闘争の方が強調されており、ドイツ人によるヘレロ・ナマ民族の大量虐殺の歴史も博物館の一角で、他の大量虐殺の歴史と並んで知ることができるくらいである。ドイツ植民地を記録・記憶にとどめようという努力はあまりなされていない。ドイツ人が最初に入植したリューダリッツでは、植民地獲得や戦争で死亡したドイツ人が英雄として記念されている。植民地の記憶に関しては、東アジアの日本植民地の場合と大きな違いがある。その理由を政治的背景を含めて考察する必要がある。性暴力も行なわれたと思うが、記憶にはとどめられていない。、
その他、感情の歴史学とジェンダー関連の考察やジェンダーから見た時代区分の考察も行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

感情史や時代区分、伝記研究など、本テーマと関連するが、研究の主要部分とはいえない他の研究に時間をとられたため、メインとなる部分の研究が進まなかった。もう一つは、過去3年間、ドイツに出張しなかったため、研究に必要な史料収集が遅れた。

今後の研究の推進方策

次年度春にドイツに出張し、研究の遅れの原因として記した本研究に必要な史料を収集する。次年度は、以前に集めた史料を含めて論文を執筆予定。

次年度使用額が生じた理由

本年度は2度の海外出張を予定していたため、前年度にかなりの未使用額を本年度用に確保していた。本来の単年度に交付予定以上の金額を支出したが、それでも前年度からの繰り越し金額が多かったため、さらに次年度に持ち越すことになった。次年度には、史料収集のため、ドイツ出張を計画しており、その費用に支出する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 思想の言葉ー感情史とジェンダー2018

    • 著者名/発表者名
      姫岡とし子
    • 雑誌名

      思想

      巻: 1132 ページ: 2-4

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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