研究課題/領域番号 |
17K02081
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
古田 弘子 熊本大学, 教育学部, 教授 (60315273)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 障害 / 教育 / 女性 / ジェンダー / インド / スリランカ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、南アジアにおける障害のある女性の教育とジェンダーについて、インドとスリランカに焦点をあて総合的に明らかにすることである。研究課題①「インドにおける障害女性の教育とジェンダーに関する研究資源の解明」では、インドの女性学・障害学・教育学を専門とする大学や研究センター、女性障害者団体を訪問し関係者に面談し、研究文献・資料類を収集し、全体像を把握すること課題としていた。8月に11日間インドを訪問し、カルカッタ大学教育学部、デリー大学ミランダハウス、女性開発研究センター(デリー)、TATA研究所(ムンバイ)の当該分野の研究者と面談し、情報収集及び意見交換を行った。さらに、その折紹介された当該分野の最新の書籍の著者を、11月にブバネシュワルに3日間訪ねた。この訪問前には、タイ、バンコクで開催されたIASSIDD Asia-Pacific 4th Regional Conference(アジア・太平洋発達障害学会)に参加し、関連分野の研究者と意見交換を行った。年度後半は、これら入手した文献の読み込み及び、必要に応じて内容の日本語訳を行った。研究課題②「スリランカの障害女性の教育とジェンダーの実態分析」については、すでに着手していた調査研究を継続するため、9月に8日間スリランカを訪問した。滞在中に、16人の障害者を対象に、教育を軸にした内容関する面談調査を実施した。研究課題③の「国の障害女性の職業教育とジェンダーに関する分析」については本年度は着手していない。また、本研究の連携研究者2名との研究討議を11月に実施し、今後の研究の進め方について討議した。このように、初年度は、南アジアにおけるジェンダーの観点からの障害者教育の検証に向け、まずまずの進捗が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、障害女性の教育とジェンダーの実相の解明に向けて、教育資源のあるインドで人的ネットワークを構築するとともに資料収集を行い、スリランカでは継続調査を実施した。その結果、ジェンダーの観点からの障害者教育の検証に向けた初年度としてはまずまずの進捗が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の進捗は当初計画に照らし合わせれば順調であった。しかしながら、初年度は、研究成果のアウトプットができなかった。次年度からは研究成果の公開を念頭におきながら、取り組んでいきたい。また、インドでの資料収集では教育分野についてはやや不十分であったため、課題3の達成を含め、教育分野により焦点化した研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部物品が当初見込みよりも安価に購入でき、次年度使用額が生じる結果となった。次年度、速やかに使用する予定である。
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