3年間の実施期間中3年目のR元年度の研究実績を、研究課題別に報告する。 研究課題①「インドにおける障害女性の教育とジェンダーに関する研究資源の解明」については、関係者との意見交換及び情報収集、関係書籍の訳出の2点を実施した。前者については、5月にインドのTATA研究所サンジャ・リマエ准教授およびカルカッタ大学サントシ・ハルダー准教授を招へいし、熊本と東京でシンポジウムを開催し、意見交換・討議を行った。シンポジウムの内容は、紀要論文①に公開した。あわせて、障害のある人(英語話者)を講師として開催する国際シンポジウムにおける合理的配慮について以下の紀要論文②で検討した。関係書籍の訳出については、ハンズ元ウトカル大学教授編集の2015年発行書籍の翻訳を終え、科研研究成果公開促進費(学術図書)により「インドの女性と障害」として明石書店から出版した(19HP5160)。 研究課題②「スリランカの障害女性の教育とジェンダーの実態分析」については、今年度は、スリランカで障害のある女子大学生6人に対するインタビューを実施した後、インド・スリランカ両国で収集したデータの整理・分析を行った。この調査結果のまとめと公開が今後の課題として残された、 研究課題③「両国の障害女性の職業教育とジェンダーに関する分析」については、研究課題①および②の中に組み入れて行った。 以上のように、今年度はジェンダーの観点からの障害者教育の検証に向け、総合的に十分な実績が得られた。 紀要論文① 古田弘子・金澤真実(2019)インドの女性と障害,教育―2019インド女性と障害会議(熊本&東京)報告―. 熊本大学教育学部紀要,68,55-60. 紀要論文②古田弘子・山田京子・金澤真実(2019)小規模国際会議における合理的配慮について―日英両言語による情報保障を行った例―. 熊本大学教育学部紀要,68,61-67.
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