本研究は、日本在住の性的マイノリティがどのように出産・子育てを行なっているのかを把握することを目的とした。調査方法は、性的マイノリティの出産・子育てをしている自助グループでのフィールドワークおよび参与観察である。近年、性的マイノリティで出産・子育てに関心を持つ人々が増えており、特にレズビアンによる出産・子育ての関心が高い。レズビアンの中には出産するために精子ドナーを探し、実際に妊娠・出産を行なっているものもいる。しかし、同性婚をめぐる法整備の不備のために、レズビアンマザー、精子ドナー、子の関係は法的に不安定な状況に置かれていることが明らかとなった。
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