研究課題/領域番号 |
17K02094
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
秋林 こずえ 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (90377010)
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研究分担者 |
文 京洙 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70230026)
宮城 晴美 琉球大学, グローバル教育支援機構, 非常勤講師 (80618786)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 長期駐留軍 / 性暴力 / 平和安全保障 / エンパワーメント / 「基地村」 / 「女性・平和・安全保障」 / 国際フェミニスト平和運動 |
研究実績の概要 |
本年度はコロナ・ウイルス感染拡大により一年間、研究期間を延長した上での最終年度であった。しかし、本年度も海外での資料収集や研究発表はできず、オンラインでの研究交流や研究発表などによって代替した。 平和安全保障に関しては、本年度が国連安保理決議1325号「女性・平和安全保障」採択20周年であったため、「女性・平和・安全保障」政策の達成と課題を検討する研究会やオンライン・シンポジウムが数多く開催された。特に東北アジアでの「女性・平和・安全保障」課題に朝鮮戦争が与える影響と、休戦中の朝鮮戦争と軍隊の長期駐留による問題に地域レベルでの「女性・平和・安全保障」課題として取り組む国際フェミニスト平和運動についての研究発表を行った。これらは、国連政治平和構築局(UNDPPA)やUN Womenなどの国際機関での政策提言を志向する研究活動と、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)、ハインリッヒ・ボエル財団香港などの研究機関での東北アジア地域の政治分析や他地域との比較を行う研究活動との二つに大きく分けられる。 平和安全保障とエンパワーメントについては、韓国の在韓米軍「基地村」で性産業に従事していた女性たちによる演劇活動に関する資料を収集した。これまで検討していた国家賠償請求訴訟や京畿道政府の支援政策などの制度や政策への働きかけと並行して、トラウマの克服という要素もエンパワーメントにとって重要であることが明らかになった。フィリピンのオロンガポ市の米軍基地周辺の性産業に従事していた女性たち自身が運営しているブックロード・センターでも、コロナ禍での地方自治体政府による女性たちの生活支援や自立支援活動への参加や政策提言を行っており、それらについてもオンライン会議を通して資料収集を行うことができた。 在沖縄米軍と性暴力の分析については、沖縄の戦後の復興期について「難民」という視座の導入を検討した。
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