研究課題/領域番号 |
17K02111
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山川 路代 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50734555)
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研究分担者 |
田中 優子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30701495)
津田 敏秀 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (20231433) [辞退]
小野 真由美 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (00609688)
中瀬 克己 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00511552)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 旅行者 / 疫学 / リスク行動 / 感染症 / 予防 |
研究実績の概要 |
今年度は、大学が実施した平成30年度春期語学研修(2~3月)の参加者のうち、渡航前アンケートに回答した者を対象にフォローアップを目的としたアンケート調査を行った。帰国1か月後にWebアンケートへの協力を呼びかけ、回答のなかった者に対してメールにてリマインドを行い、それでも回答のなかった者に対しては帰国2か月後の報告会でも回答を呼びかけた。結果として回収率82%まで上昇した。渡航後アンケートでは、感染症罹患との関連が予想される、小児期のワクチン接種状況、トラベラーズワクチン接種の有無と種類、疾病リスクに関する情報収集、現地でのリスク行動の状況、症状の有無と種類などを収集し、今年度で語学研修に参加した学生を対象としたデータ収集を終了した。渡航によって感染リスクの上昇が懸念されるにもかかわらず、参加者において事前の情報収集、小児期のワクチン接種の確認、トラベラーズワクチン接種は十分と言えない状況であった。さらに、渡航先や旅行目的によって行動面にどのような違いが生じるかを知ることで、感染症罹患に係る行動のメカニズムを解明することを目的とし、感染リスクの高い地域(インド)を個人旅行する日本人を対象に横断的にWebアンケート調査を実施した。アンケートは、語学研修の参加者を対象とした渡航前・後アンケートと同じ内容とした。追加で交絡因子としてインド以外の旅行先、全体の旅行期間についても収集した。今後、個人特性を考慮しながら、リスク行動と感染症罹患との関連性について検討を進め、行動変容に影響を及ぼす可能性がある要因について分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度、30年度は研究代表者の異動や研究分担者の産休に伴い、研究計画に若干の遅れが生じていたが、大学の渡航リスク管理状況の情報収集や渡航時の感染リスク対策に関する質的調査の計画も含め、今年度はデータ収集並びに分析が順調に進んだ。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによって、国際学会が急遽キャンセルとなり、これまでに得られた結果を国内外の研究者と議論する場を逃すこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度もインドを個人旅行する日本人に対するデータ収集を予定している。新型コロナウイルス感染のパンデミックを考慮し、現地の協力者と密に連絡を取りながら、実施可能な方法について検討を重ねたい。国内外ともに今年度分の学会開催の中止が既に決定しているものも多いことから、主に学術誌上で研究者と議論できるように準備を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
事業期間中に研究分担者が育休を取得したこと、研究代表者および研究分担者2名が事業期間途中で異動したことにより、当初の計画の遅延・変更が必要になった。新たに研究分担者1名を加えて当初の計画の遂行を試みたが、その分担者の健康上の理由により分担者から削除することとなった。研究計画の見直しの結果、事業計画を延長しなければならなくなり、次年度使用額が生じることとなった。また、研究者2名が研究発表を予定していた国際学会が新型コロナウイルスのパンデミックにより急遽キャンセルになったことも次年度使用額が生じた理由として挙げられる。渡航先や旅行目的による行動面の違いを明らかにすることを目的とし、現在、感染リスクの高い地域(インド)を個人旅行する日本人を対象にデータ収集を行っており、次年度も実施を予定している。
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備考 |
「大学生が海外留学時に経験する症状とその関連要因の検討」「インドを旅行する日本人旅行者における疾患発生要因に関する研究」へご協力のお願い
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