研究課題/領域番号 |
17K02111
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山川 路代 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50734555)
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研究分担者 |
田中 優子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30701495)
津田 敏秀 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (20231433) [辞退]
小野 真由美 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (00609688)
中瀬 克己 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00511552)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 海外旅行 / 大学生 / リスク認知 / 不安 / 手洗い |
研究実績の概要 |
日本人旅行者における感染症罹患にかかわる行動のメカニズムを解明することは、旅行者を行動変容に導くリスク情報の提示方法を知る上で不可欠と考えられる。そこで、本研究は、①個人特性とリスク認知・リスク行動との関連性、②リスク認知とリスク行動との関連性、③リスク行動と疾病発症との関連性、という3つの観点から検討を進めている。2016年から2018年に大学主催の語学研修に参加した日本人学生825名を対象に、渡航前と渡航後に質問紙調査を実施した。渡航前に、渡航歴やリスク認知、既往歴などについて情報収集した。渡航後に、リスク行動や疾病発症、渡航時に携帯した医薬品類などについて情報収集した。渡航先でのリスク行動(衛生、食事・生活習慣、アクティビティなど)は、本人の心理的な要因の関与が示唆されている。今年度は、②について、渡航先での手指衛生の実施状況をアウトカムとし、リスク認知・不安が渡航先での手指衛生の実施状況にどのような影響を及ぼしているか検討した。結果として、性別や年齢、渡航歴、渡航年を調整しても、衛生に対する不安が少ないほど、渡航先で手指衛生を実施しない傾向が見られた。一方で、リスク認知については、有意な関連性は見られなかった。得られた結果は、国内学会で発表するとともに、国際誌に投稿した。また、渡航先や旅行目的によってリスク行動にどのような違いが生じるか、リスク行動に関連する要因にどのような違いがあるか知ることを目的とし、感染リスクの高い地域(インド)を個人旅行する日本人を対象に、2020年度にWebアンケートによる横断調査を実施した。得られたデータをもとに、今年度はリスク行動と関連する要因について分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大が依然として続いており、日本の大学を対象とした渡航リスク管理状況の情報収集、学生を対象とした旅行中の感染リスク対策に関する質的調査が計画通りに実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
大学でのコロナ対策が進み、対面授業も再開されるなど、日本の大学を対象とした渡航リスク管理状況の情報収集、学生を対象とした旅行中の感染リスク対策に関する質的調査をオンラインではなく、対面で実施できる環境が整ってきた。担当者とコンタクトをとったり、参加者を募集するなど速やかに準備を進め、対面での情報収集および調査に着手したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大が依然として続いており、日本の大学を対象とした渡航リスク管理状況の情報収集、学生を対象とした旅行中の感染リスク対策に関する質的調査が計画通りに実施できなかった。大学でのコロナ対策が進み、対面授業も再開されていることから、2022年度に実施できるように準備を進めている。また、2021年度にニュージーランドで開催予定だったアジア旅行医学会が再延期になった。2022年度に開催されれば渡航費に計上し、開催されなければ、論文をオープンアクセスにするなど、論文を幅広く公開することを目的とした予算使用を検討する。
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備考 |
「大学生が海外留学時に経験する症状とその関連要因の検討」「インドを旅行する日本人旅行者における疾患発生要因に関する研究」へご協力のお願い
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