本研究では、お土産品としての北海道スイーツの商品特性に着目し、その優位性と競争基盤を解明することを目的としている。 1年目は、北海道スイーツの特性を明らかにするために、工業統計調査、家計調査および調査会社よりデータのデータで分析を行い、北海道スイーツ事業者のプレゼンスを把握し北海道スイーツ製造業の全国との比較から北海道スイーツの特徴、課題を見い出した。2年目は、北海道スイーツ事業者の売上高推移と出店状況について着目した。売上高上位企業の売上高順位は数年で変化はみられず上位集中度が高く、売上高上位企業の出店状況は、北海道内中心と積極的に道外出店する2タイプがあり出店戦略の違いは各社の成長戦略の方向性と関連しているという仮説を導出した。3年目は北海道スイーツについて地域優位性およびブランド化について焦点を当あてた。北海道スイーツは、特定の品目で地域優位性とブランド化は一定の水準にあることが示された。品目別に 全国出荷金額1位の地域(都府県)と比較すると、北海道スイーツは地域優位性、ブランド化において出荷金額1位の地域より劣っていることが明らかになった。4年目は、前年までの研究で明らかになった統計データから見た北海道スイーツの地域外需要(道外需要)の品目別特徴についての分析結果を日本観光研究学会で発表した。5年目はCovid-19が北海道スイーツ事業者にもたらした影響とCovid-19禍における経営努力の実態を捉えるために北海道菓子協同組合の全会員 に対して質問票調査を実施した質問紙調査では、営業活動への影響は新型コロナウイルス前と比べると 90%以上の事業者において売上高の変化があり、それに対して 30%以上の事業者が何らかの新しい試みをおこなう経営努力をしていた。最終年度ではこれまでの研究成果をまとめるつもりであったが、病気療養のため研究はできなかった。
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