昨年度に引き続き、日本の顧客満足度の高い企業、サービスに関する受賞企業やランキング企業(日本サービス大賞受賞企業、JCSI〈日本版顧客満足度指数〉調査におけるランキング企業、日経MJ第37回サービス業総合調査ランキング企業)と、ホスピタリティ産業関連諸団体に加盟する企業(一般社団法人日本ホテル協会加盟ホテル、一般社団法人全日本シティホテル連盟〈※現全日本ホテル連盟〉加盟ホテル、一般社団法人日本旅館協会加盟宿泊施設、一般社団法人日本フードサービス協会加盟飲食店)に対して実施したアンケート調査における、調査対象企業の分類や近年の売上高・売上高営業利益率が高まっている企業とそうでない企業に基づく比較考察を通じて、イノベーションモデルとなる企業行動のフレームワークを再度検討した。 そのフレームワークを成すものとして、生産性重視、エンゲージメント強化、顧客志向が挙げられる。働きやすい環境を整えて効率と稼働を上げることにより生産性を高める。同時に、スタッフ各々が自己実現について考える機会を持ち、成長のための動機付けを行う。マネジメントの方向性とスタッフの自己実現が関連づけられると、働きがいが感じられるようになり、組織全体の力を最大化できるようになる。そして、顧客のニーズを満たし買いたくなる顧客満足度の高い商品の提供によりブランディングが可能となり、マーケティングコストが下がると共に単価を上げる価値構造につながり収益が向上する。このようなホスピタリティ産業のイノベーションモデルの構築が急務となる。 以上の検討結果について所属学会において口頭発表を行い、論文として掲載した。
|