研究課題/領域番号 |
17K02126
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
中嶋 真美 玉川大学, 文学部, 教授 (80555409)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エコリゾート / エコロッジ / タンザニア / よそ者 / 持続可能な観光 / エコツーリズム / 地域貢献 / NGO |
研究実績の概要 |
本研究は環境配慮型観光ビジネスであるエコリゾート(ER)を取り上げ、ERによる環境配慮型観光の可能性と影響力について現地事例を用いて学際的視点から検証、考察するものである。主たる調査対象地(事例)は、豊富な自然資源を有することから複数のエコリゾートやエコロッジが存在するタンザニアとモザンビークとした。中でも、タンザニア・アルーシャ州およびモザンビーク・イニャンバネ州での取り組みを事例とし、外部と地域社会との協働に着目しつつ、研究を進めている。 2021年度は2020年度に続き、新型コロナウィルス感染症の拡大により現地調査の実施が不可能となり、当初の研究計画の大幅な変更を余儀なくされるに至った。20年度に続き、文献調査による基礎研究を中心とし、具体的事例や観光動向、各関連分野の既存研究の到達点確認を行った。また、ICTの活用による関係者への現状確認を実施し、22年度の現地調査の実施に向けた下準備を行った。 【研究成果の意義・重要性】 2021年度は、主としてタンザニアの民間事例を分析するにあたっての基礎研究を行った。今年度までの研究で指摘してきた「よそ者」の他者性を地域改善に生かしていく方法論について他国の事例なども鑑みつつ、その成果の現れ方について情報収集を行った。現地調査による一次情報の収集が困難な状況にあったため、先行研究で示された内容の現地での確認が行えなかったものの、2022年度に向けての調査の柱となる視点を再度確認することができたことは有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大により上記における現地調査の実施が不可能となり、当初の予定を大幅に変更することとなった。 文献調査による基礎研究を中心とし、各関連分野の既存研究の到達点確認に努めた。2021年度は今後の研究における基盤部分の充実に努める結果となった利点はあるものの、大きな進展と言える成果を得ることはできておらず、研究計画内容とは全く異なる状況下において研究達成度は当初の予定より遅れが見られる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、新型コロナウィルス感染症による世界規模での影響を受け、海外調査部分での進展を望むことができなかった。2022年度は9月に海外調査を再開する見通しであり、その調査結果を踏まえて研究のまとめへとつなげていく予定である。当初の研究期間を延長しての実施となったため、研究計画・内容を大幅に変更せざるを得ない状況にはあるが、感染症という不測の事態が地域社会のどのような影響を有していたのかについて、確認をしていく予定である。なお、年度内に成果発表(口頭及び学会誌投稿)を予定している。年度内に出来うる限りの研究の進展に注力し、研究実施の円滑化を心掛けたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020~2021年度は新型コロナウィルス感染症の拡大により、海外現地調査の実施が困難となった。また、コロナ禍による学務の突発的対応の必要性および業務量の急増により、当初の計画よりもエフォートを減少せざるを得ない状況にあった。その結果として、経費支出が減少した。 なお2022年度は9月に1回、年度内に1回の計2回の現地調査を検討している。ただし、状況が悪化し海外渡航が実施困難な場合は研究計画を変更し、国内研究活動を中心とする。その場合は、文献研究のための経費支出、国内出張費用、および研究環境の整備のための支出として、予算を執行する予定である。
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